運転のしやすさはクラウンと変わらないってマジ!? いまどきはスーパーカーをアシにするオーナーもいる (2/2ページ)

普段のアシも趣味的なクルマもフェラーリ

 お次はラーメンや焼肉のチェーン店を経営している坂本さん(仮名)。フェラーリ812をはじめとして、数台のスーパーカーをおもちだそうです。最近手に入れたのはテスタロッサをベースにケーニッヒがチューンアップしたコンペティション。40代になったばかりの独身男性です。

「ケーニッヒはさすがに普段使いしてませんよ。もったいなくて(笑)。部品はあるから、安心して最高速チャレンジしてみなよ、なんてショップの社長はいうんですけどね。いつもはフェラーリ・ローマか、ちょっと遠くの店に行くときはフェラーリ812に乗ってます。ケーニッヒとは比べものにならないくらい楽チンですよ。街なかで気を遣わないかって? もともと宅配のトラック運転手をしていたので、混んでる道の運転にも慣れてるというか、苦にならないんですよね」

「それに、フェラーリに乗っていくと店の若い子たちが喜んでくれるっていうのも大きな理由です。具体的な夢として、スーパーカーってわかりやすいじゃないですか。コンペティションで店にいくかって? どうかな、そこらをチョロチョロして調子悪くしたくないですし、個人的な趣味のクルマなので、あんまり人目につかないところで、ひっそりと◯◯◯キロ出したいって感じですね(笑)」

 最後は前期高齢者、もとは不動産業で財をなした大倉さん(仮名)。新旧さまざまなスーパーカー、はたまたレーシングカーを所有しており、運転に関しても下手なレーサー顔負けの腕前。紳士的な物腰ながら、クルマの好みはわりと獰猛です。

「いま現在、アシに使っているのは911ダカールです。ほしかったというより、ディーラーから『キャンセルが出たので買わないか』といわれたからです。乗ってみたらノーマルの911よりいくらかアイポイントが高くて、近所の細い道でもハンドルがそこそこ切れたので使っているわけです。いい歳をして目立つクルマに乗ってますが、年寄りほど周囲の注意をひくクルマに乗るのが安全でしょう」

「煽り運転ですか? 一度だけポルシェ911 GT3が後ろから猛スピードでついてきましたが、いい勝負しましたよ(笑)。煽られるのが嫌なら、ダカールみたいに目立つクルマは避けるべきでしょう」

「目立つといえば、ケーニグセグ・アゲーラも都心部の住宅地でコロがしましたけど、アシにするには速すぎる。逆にいえば、スピードレンジが低いとなにひとつ面白くない。長野県の白馬に山小屋をもっているので、そこの往復にどうかとも考えましたが、あそこまでいくと止まったときに苦労しそうなので、すぐに手放しました」

 話を聞いた皆さんは、なんらかの理由で動かなくなったことを経験しており、その際の苦労も承知の上で「普段のアシ」にしている模様。一方で、異様にとんがったケーニグセグなどのモデル以外なら運転に不自由はなく、面白さはないけど遅いスピードでも普通に普段のアシにできるとのこと。

 野蛮で気難しい、なんてテイストのスーパーカーはもはやダイナソー(絶滅した恐竜)。現代は「いくらか乗り降りしづらいだけで、クラウンと変わりません」(by 大倉さん)ということだそうです(笑)。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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