ザガートが手がけたボディを纏うハイパーカーが誕生! F1にもかかわってきたカプリコーンが放つ「01 ザガート」の衝撃 (2/2ページ)

F1で得たカーボンファイバー技術のノウハウを投入

 カプリコーン01ザガートの基本構造体となるのは、カプリコーンが誇る軽量で高剛性なカーボンファイバー製のモノコックだ。同社はこれまでLMP1やF1などの世界でカーボンモノコックの開発や製作に携わってきた実績をもつが、その経験はこのハイパーカーにも十分に生かされている。

 ボディパネルも同様にカーボンファイバーで成型されており、同社の発表によれば、ドライウエイトはわずかに1200kg以下という数字に抑えられている。

 ミッドに搭載されるエンジンは、フォード製のV型8気筒をベースに開発されたもので排気量は5.2リッター。こちらもその軽量設計にはカプリコーンのもつ技術的なノウハウが積極的に導入されており、クランクシャフトやコンロッド、ピストンなどの構成部品はもちろんのこと、吸排気システムや冷却システム、ECUなども一新。

 さらにスーパーチャージャーを組み合わせることで900馬力以上の最高出力と1000Nmの最大トルクを得ることに成功した。ミッションはCIMA製のドッグレッグ式の5速MT。駆動方式はもちろんオーソドックスなRWDとなる。

 前後のサスペンションはダブルウイッシュボーン形式のプッシュロッドシステム。スプリングとダンパーはビルシュタイン製で、後者には「コンフォート」、「スポーツ」、「トラック」の3タイプのモードが備わる。

 ステアリングには低速時にのみアシストを提供する小型モーターが装備されるが、高速時にはその作動は完全に停止され、ドライバーはよりリニアなステアリングフィールを得ることができる。ブレーキにはブレンボ製のカーボンセラミックディスクと6ピストン・キャリパーが採用されている。

 0-100km/hを3秒以下で加速し、最高速では360km/hを可能にするというカプリコーン01ザガート。その生産は前で触れたザガートの創業年、1919年にちなんで19台の限定で行われる予定だ。

 ちなみにカプリコーンでは、今後さらにほかの自社ブランド車の開発も計画されており、最終的には年間で100~200台レベルの生産ボリュームを狙うほか、ほかのメーカー向けの少量生産車や、特別なカスタマーのためのワンオフモデルの製作にも対応するという。今後の動向が楽しみな新興勢力がまた誕生した。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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