好き好んでうるさいワケじゃないのをわかって! 冷凍車ドライバーが直面する苦情の嵐!! (2/2ページ)

誰だって迷惑をかけたくてやっているわけではない

ドライバーDさん

「まぁ、実際に冷凍機のエンジンはうるさいですからね。文句をいわれるのは十分理解しています。こればっかりはどうしようもないので、いくら文句をいわれても謝るしかできないですね。すみません、いま本マグロを積んでいるので腐らせるわけにはいかないんですっていうと、それだったら仕方ないなって納得してくれたこともありますよ。さすがに、それは大変だと思ってくれたのでしょうね。もちろん、本マグロなんて運んだことはないですが(笑)」

ドライバーEさん

「苦情が入って駆けつけてきた警察に、冷凍機のエンジンを切れっていわれたことがありますね。そうしたいのは山々なのですが、冷凍車って荷物を積み込む前に箱のなかを予冷しておかないといけないという現場が多いんですよ。箱のなかの温度はデータとしてきちんと残るから、ごまかしも利かないですし。そんな説明をしたら警察も理解と同情してくれて、荷主に改善するように連絡してくれました。それ以降は路上待機させられることがなくなりましたので、ありがたいですね。荷主の冷凍庫にいけば敷地内にスタンバイという装置があるので、エンジンを稼働しなくても箱のなかを冷やすことができるんですよ。いまは燃料も高いですし、誰も好き好んで冷凍機をまわさないですよ。そのへんは、少しでも理解してほしいですね」

運送会社社長Fさん

「冷凍車って車両価格は高いのに運賃が安いんですよね。そのうえ騒音問題があるでしょ。会社にクレームが入ることも多々ありますし、割に合わないなぁと感じることが多いですね。ただ、一般貨物と違って冷凍食品やチルド品は365日荷物があるんですよね。年中無休のコンビニやスーパーなどが増えたので、食品関係はよく動くのです。トラックを無駄に休ませることがないので、それがありがたいですね。それだけの理由で続けているような感じです。騒音問題については、運送会社やドライバーサイドができるような改善点は、正直ないと思いますね。そこは、メーカーさんの企業努力に委ねるしかないと思います」

 日本には、多種多様の車両が走りまわっている。そして、トラックドライバーたちは日夜、日本の物流や食を守るために活躍している。そんな彼らが肩身の狭い思いをしながら働いているという現状は、いかがなものだろうか。迷惑をかけることを理解したうえで無駄にアクセルを踏んで空ぶかしをするような輩はともかく、冷凍機のエンジンを止めることはできないドライバーたちに苦情を入れたとしても、どうにもならないのだ。

 この記事を読んでくださった人たちだけでも、冷凍車に対して大きな心で接していただけたらと願う。繰り返しになるが、誰も好き好んで冷凍機のエンジンをまわしているわけではない。そして、迷惑をかけたがっているわけでもない。その部分だけでもご理解いただけたら、幸いに思う。


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