かつて使われていた「有毒」の「有鉛」ガソリンはなぜ鉛が必要だった? 有鉛仕様の旧車にイマドキの普通のガソリンを入れたらどうなる (2/2ページ)

有鉛ガソリン仕様車も対策すれば乗り続けられる

 そして、時代の流れにともなう技術の進歩により、ガソリンのオクタン価は四アルキル鉛に頼らず添加剤によって保つことができるようになり、いまも市場で流通する無鉛ハイオクタンガソリンへ切り替わることになった。

 では、バルブシートの摩耗対策から有鉛ガソリンを必要とする旧車の燃料はどう対応すればよいのか? やはり技術進歩の恩恵は大きく、バルブシートの保護をする添加剤が開発されたのだ。無鉛ガソリンにこの添加剤を混入することで、バルブシートの摩耗が抑えられ、有鉛ガソリンを使った場合と同等のバルブシート保護効果が得られるようになっている。

 ちなみに、有鉛ガソリンを使っていた時代(有鉛ガソリンしかなかった時代)に生産された車両でも、バルブシートの無鉛化対策が行われていた車両(エンジン)もあり、こうした車両では無鉛ガソリンに移行した際にも、無鉛化対応の対策が必要なく、そのまま無鉛ガソリンを使うことができた。

 では、有鉛ガソリン仕様車で無鉛ガソリンを使ったらどうなるか? バルブシートの摩耗が促進され、最終的にはバルブの密着不良を起こすことになりそうだが、いずれにしてもバルブシートを消耗品と考えておけば、バルブシートの交換という作業で決着を見ることができる。

 逆にいえば、バルブシートを無鉛ガソリン対策のものに換装しておく方法もある。いわゆるヘッドまわりのオーバーホールだが、バルブやバルブスプリングを交換する際、バルブシートやバルブステムの換装も見込んでおけば、1度の手間で旧車の健康管理ができることになる。

 時代が進化したことで、有鉛ガソリン仕様車も対策をほどこすことで乗り続けることができるようになっている。

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