みんなアメ車といえば大排気量V8のイメージをもっているけど……そもそもなんでアメ車=V8なのか? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アメリカ人のなかにはいまでもV8信仰が根強い

■アメリカの日系メーカー販売店はフルサイズSUVやピックアップの導入を切望していた

■「アメ車=V8」というイメージはV8がアメリカのカルチャーとして根付いているからだ

いまだV8であることが好まれるアメリカのクルマ社会

 アメ車といえばV8、V8といえばアメ車。日本でそんなイメージをもっている人がいるかもしれない。では、なぜ「アメ車=V8」なのか?

 ネット上で検索すると、アメリカの自動車専門誌や自動車産業に詳しい学識経験者らのアメリカ自動車史に基づく見解を目にする。どのメーカーが最初にV8を考案したのか、その背景にはどのような技術的な理由があるのかといった切り口だ。

 そんなV8の起源にかかわらず、アメリカ人のなかにはいまでもV8信仰が根強いという事実がある。

 筆者は1970年代にアメリカを訪れて以来、1980年代から全米各地で生活をしてきた。そのなかで、アメ車がV8が多い(多かった)ことに対してとくに疑問を抱くことはなかった。これまでアメリカで出会ってきた多くのアメリカ人が、筆者と同じような感覚なのではないだろうか。

 そのうえで、V8にまつわるエピソードを紹介する。

 1990年代半ばから後半にかけて、アメリカではSUVブームが起こった。ピックアップトラックのラダーフレームを活用することでコストが抑制でき、高付加価値で利益率が高いことで販売店も積極的にSUVを仕入れて販売促進に励んだからだ。

 GM、フォード、クライスラー(当時)の販売店がSUVでの収益を上げるなかで、日系メーカーの販売店からは利益率が高いフルサイズSUVやフルサイズピックアップトラックの新車導入を切望する声が上がった。なぜならば、日系メーカー各社がアメリカで導入したモデルの多くは、最上級グレードでもほとんどV6だったからだ。燃費や実用性を考慮すると、日系メーカーではV6で十分と考えていたのだが、フルサイズSUVやフルサイズピックアップトラックになると「日系メーカーにはV8がないから買わない」とか「V8でないとフルサイズとは呼べない」といったユーザーの声が多かったのだ。


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桃田健史 MOMOTA KENJI

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