書類が用意できるならいいけれど……
●書類がないクルマの活用法とは?
書類がないクルマの活用法で現実的なのは「部品取り車」です。古いクルマの多くが、すでに純正部品を製造廃止しています。そのため、探している部品がいつ手に入るかわからない。ヤフオクなどに出品されたとしても争奪戦が予想される可能性が高いのです。そういった心理的な不安やストレスも、「部品取り車」としてクルマ1台を丸ごと所有することでかなり軽減されます。はじめから部品取り車として購入するのであれば、「書類なし」でも問題ありません。むしろ安く手に入ることが多いので好都合といえます。
そのほか、置き場所や金銭に余裕があれば、サーキット仕様に仕立てる方法もありです。タイムアタック専用のマシンやレーシングカーのようなエンジンのチューンと足まわりを組んでもいいのです。埃をかぶって朽ちていくよりも、クルマにとって幸せかもしれません。
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●「書類なし」のクルマを復活させることは可能なのか?
「書類なし」のクルマの状況によって難易度に差はありますが、「手間と時間がかかる」ことは確かです。まずやるべきこととして、「車台番号の確認」「盗難・滞納・抹消の確認」「可能であれば所有者情報の確認」が挙げられます。
もっとも可能性が高いのは「前所有者がわかり、協力が得られる場合」です。しかし、前所有者が不明である場合、連絡が取れない場合、抹消・解体の記録がない場合、すでに抹消(廃車)済みの場合、または解体届が出ている場合は難易度がグッと上がります。さらに、盗難車や所有権が疑わしいクルマは極めて困難……といった、おおまかにいって3段階にわかれます。
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●まとめ:「書類なし」のクルマは「部品取り車」としては掘り出しモノ。公道を走るクルマとしては……
クルマとしては実在するにもかかわらず、所有者が誰であるかを裏付ける公的な書類が揃わないと、新たに所有することもナンバーを取得して公道を走ることも叶いません。難易度の差はあれども、書類なしのクルマを復活させるにはかなりの労力と時間、そして根気強さが求められます。
その都度、役所や陸運局の人を質問攻めにして、ひとつひとつ問題をクリアしてゴールにたどり着くしか方法はありません。しかも、必ずしも報われるとは限らないため、途中で断念せざるを得ないことも十分にありえます。
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ここまで詳しく解説してきたことからも、これらの行為がいかに非現実的で大変なことかがわかるでしょう。「書類なし」のクルマを手に入れ、新たにナンバーを取得しようと考えているなら、それなりの覚悟が求められることは間違いなさそうです。