キチンと動くのになんで? 精密機械のクルマのエンジンからオイルが漏れるワケ

この記事をまとめると

■鉄の塊に見えるエンジンだがときにオイルを漏れする場合がある

■エンジンは1万点近い部品が組み合わさってできているために少なからず隙間が存在する

■高温や振動にさらされるエンジンはオイル漏れのリスクを常にはらんでいる

なんでクルマのエンジンってオイル漏れが発生する?

 車検のときにも厳しくチェックされるエンジンのオイル漏れ。鉄(アルミ)の塊に見えるエンジンなのに、何でオイル漏れの心配をしなければならないのか、と疑問に思う人もいるだろう。

 エンジンからオイルが漏れる原因、それはエンジンがつなぎ目のないモノブロック構造ではなく、大小7000~1万点の部品が組み合わさってできているからに他ならない。

 エンジンは大きく分けても、ヘッドカバー、シリンダーヘッド、シリンダーブロック、クランクケース、オイルパンの五層構造になっていて、それぞれのつなぎ目には、シールやパッキン、ガスケットなどが入っていて、それで密閉性を確保している。

 しかし、エンジンは絶えず高温と振動に晒され、燃焼ガスやオイルによって高い圧力がかかるもの。一方で、長時間エンジンを止めていれば、エンジンは冷えるし、振動も圧力もかからない。このような高温と振動、温度変化と圧力変化は大きなストレスとなり、ゴムや合成樹脂製でできたシールやパッキン、金属や紙でできたガスケットなどを硬化・収縮させて劣化させてしまう。

 とくに回転する部品の軸受けのシールを受けもつ、クランクシャフトとカムシャフトのオイルシールは経年劣化で傷みやすく、そこからオイルが滲みはじめ、さらに劣化が進むとオイル漏れが発生するというわけだ。

 そのほか、オイル交換時のドレンボルトの締め付けの不備(規定トルク以下あるいは締め過ぎ)やパッキンの劣化、オイルフィルターの取り付け不良なども、オイル漏れの原因になりやすい。

 シールやパッキンなどは消耗品なので、走行距離、年数がかさんでくると、どうしても劣化は避けられないが、メーカー指定のオイル交換時期を厳守して、いいオイルを選ぶことと、暖気走行(アイドリングのまま待機する暖機運転ではない)をきちんとすることで、オイル漏れの予防にはなるはず。また、長い間駐車しっぱなしにはせず、定期的にクルマを走らせてやることも重要だ。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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