液晶ディスプレイ搭載でさまざまな情報発信
バスの時刻は綿密な計算の上で決められ、それが各バス停の時刻表になっているのだが、1970年ごろからモータリゼーションが進んで時刻どおりの運行が難しい場面が増加した。そこで、バスロケーションシステムの導入が図られたのだが、これがバス停標識スマート化の第一歩であったといってもよいだろう。これは、通信システムを利用してリアルタイムな情報を伝えるものだから、バス停標識に表示するシステムを整えれば、さまざまな情報を提供できる可能性をもっていたのである。
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スマートバス停では、表示の電子化・表示情報の一元管理といったことができる。バスロケーションシステムは独立した仕組みだが、バス停標識に情報を表示するという点では、スマートバス停の一環になるといえよう。表示する情報はセンターで一元管理し、バス停ごとに送信することになるので、最大のメリットはダイヤ改正時の時刻表示が効率的に行えることだ。これなら、遠隔地のバス停に時刻表を取り付けに行くといった苦労をしなくて済む。
電子機器なので電源は必要になるが、確保が難しい地域では太陽光パネル+蓄電池のほか、乾電池で稼働するものもあるという。情報は、通信システムで停留所ごとに違う内容を送ることができる。ゆえに、乗り換え情報・遅延情報などの運行情報だけではなく、地域情報・観光案内・広告などを、バス停ごとに文字・静止画・動画などで表示することが可能なのだ。
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将来的にはタッチパネルを導入したりスマホと連動させたりして、乗客が求める個別の情報にも対応できるようになるという。スマートバス停は、IoT(「モノのインターネット」。あらゆるものをインターネットにつなぐ仕組み)・ICT(情報通信技術)・AI(人工知能)を駆使することで、利用者にとってもより便利なシステムに成長する可能性を秘めているのだ。