この記事をまとめると
■働き方改革によるさまざまな施策が実施されてもバス運転士不足は改善されない
■バス用品の展示イベントでは働き方改革対策として時短グッズが人気を博していた
■バス業界はこの危機をデジタルツールや外国人就労者などで乗り切ろうとしている
なかなか改善されないバス運転士不足
働き方改革の旗印のもとでさまざまな施策が行われても、深刻なバス運転士不足はなかなか改善の兆しが見えず、路線バスでは減便や路線廃止が、過疎地域や都市部といった地域を隔てることなく進んでいる。
そのような状況を打破するものとして、自動運転バス(補助員を同乗させた自動運転/やがては運転に関しては無人運転へ移行)が注目されているのだが、そのような自動運転システムの実用化とともに進んでいるのが、外国人運転士の採用である。特定技能制度では“特定技能1号”の対象に自動車運送業が追加されており、すでに外国人バス運転士も誕生している。
両備ホールディングスの外国人バス運転士画像はこちら
バス業界ではバス運転士の不足ばかりが注目されているが、整備士不足も深刻となっている。自動車整備士の不足は何もバス業界だけではなく、タクシー会社、さらには新車ディーラーなど自動車整備業界全体の課題にもなっている。
先日、毎年訪れているバスに関するさまざまな用品を展示するイベントに取材で訪れると、1年前とは出展業者や出展内容が異なっていることに気がついた。ここ最近のトレンドは働き方改革対策グッズのようなものが目立っていた。残業勤務が厳しく制限されるなか、限られた時間でいままでと同じ業務をこなさなければならないので、いわゆる時短グッズのようなものがここのところ目立っていたのである。
業者は異なるものの1年前、そして今回も展示されていたのが「純水ろ過装置」。
洗車用の純水ろ過装置画像はこちら
バスやタクシーといった車両が業務を終えて帰庫すると車体洗車を運転士が行うことがほとんどとなっている。その洗車を水道水そのままで行うと、拭き取りを行わないと水道水に含まれる不純物によりシミとなってしまうのだが、ろ過機により水道水から不純物を取り除いた純水で洗車を行うと、拭き取り作業がいらなく時短に貢献できるのである。