この記事をまとめると ■VICSとは道路交通情報通信システムを意味しビーコンやFM放送で情報を配信している
■渋滞や事故、規制情報などを提供することでITSの中核となっている
■JARTICは全国の道路情報を集約し放送やネットを通じて提供する機関だ
現代の円滑な交通は情報網によって支えられている VICSとは、道路交通情報通信システムのことだ。英語では、Vehicle Information & Communication Systemとなり、その頭文字をとってVICSとなる。
VICSセンターは、道路管理者や警察などから道路情報を集め、処理・編集して、通信や放送を通じてカーナビゲーションなどへ送る。送信は道路に設置されたビーコンと呼ばれる送信機やFM多重放送、ETC2.0などを通じて提供される。
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提供される情報内容は、渋滞/所要時間/事故/故障車/工事/速度規制/車線規制/駐車場/駐車場やサービスエリアなどの混雑状況など広範囲にわたる。VICSは1966年から部分的な運用が開始された。それによって、交通管制センターの開設につながっている。
こうした道路や交通の情報を入手できることにより、高度道路交通システム(ITS)に一役買うことになる。交通の流れを把握し、クルマによる効率的な移動を実現するのが目的だからだ。
一方VICSは、なにか事象が起きてからその情報を入手して配信するという段取りとなるため、現場の状況が遅れて情報が提供されることになり、渋滞が解消されていたりもっと渋滞がひどくなるなど、現場に到着してみると状況が変わっている場合もある。
そこで、情報の厚みを増やすため、実際にいまクルマが通行していることを目の当たりにできるカーナビなどのプローブ情報を活用する動きも出ている。
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JARTICは、日本道路交通情報センターのことだ。英語では”Japan Road Traffic Information Center”で、その頭文字によりJARTIC(ジャティック)となり、公益社団法人として国内の道路情報の収集と提供を行う。1970年に、警察庁と建設省(現在は国土交通省)の認可により設立され、24時間の電話サービスによる運用が開始された。当時、電話を掛けると録音された音声が流れた。
現在は警察と国土交通省のほかに、各高速道路会社と都道府県の土木関連部局などからも委託されて道路情報を収集し、提供している。テレビやラジオなど放送を通じての交通情報のほか、インターネットを通じた全国の道路情報を地図で確認することができる。