アメリカンブランドでもアメリカ製ではない!?
街なかでは日本車の人気が高いが、とくにロサンゼルス空港近くのレンタカーの営業所では、いまもアメリカンブランド車の人気が高い。ロジックとしては筆者と同じで、「アメリカに来たのだからアメリカ車に乗りたい」という、アメリカ以外の国(とくにアジア圏)から訪れた人が多いためと見ている。レンタカー車両は、現状日本車、とくに日産車が圧倒的に多く、ついでヒョンデや起亜といった韓国車となっており、アメリカンブランド車は大型SUVなど、特殊なクラス以外ではかなり希少となっている。
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数少ないアメリカンブランド車はほぼGMブランドとなっている。そのなかでもコンパクト・クロスオーバーSUVが多いのだが、そのなかにじつは”罠”が仕かけられている。その罠とは、シボレーやビュイックブランドを見つけ、つい「アメリカ車発見!」とばかりに乗り込んでしまいがちなのだが、その多くはGMコリア製、つまり韓国で生産されたモデルとなり、アメリカンブランド車であっても、アメリカンメイド車ではないのである。
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筆者は純粋なアメリカ国内生産車にこだわることなく、カナダやメキシコ生産車ぐらいまで許容しているのだが、どこまで許容するかも、まさに個人差があるといっていいだろう。
数少ないアメリカンブランドのレンタカーでも、GMコリア製がこの世界では幅を利かせており、筆者は結構な時間待って、自身の考えるピュアアメリカンメイドモデルのレンタカーが来るのをなるべく待っているのだが、このままいくと、2026年は日産車もしくは韓国系ブランド車からのみ選択することになりそうな勢いとなっている。
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このように、他国のモデルがレンタカーに多いのは、車両納入は在庫減らしという側面もあるからだ。ただバイバック特約、つまり買い戻し特約をレンタカー会社と交わしての納入となるので、車両は販売しているのだが、メーカーとしてはお金のかかることにもなり、その原資の捻出が難しいアメリカンブランドでは、レンタカー会社への納入を手控える傾向がある。しかし、在庫が積み増しとなればそうもいっていられないので、レンタカー会社に引き取ってもらうこともあるのが実情。レンタカーのなかでどんな車両が多いのかといった構成比は、出たとこ勝負なのである。
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とはいえ、アメリカは自己主張が重んじられる国でもあるので、たとえ日本車や韓国車だらけであっても、筆者はスタッフに「アメリカンモデルに乗りたい」と伝えると、たいていはどこからか出てくるのである。しかし、セダンに関してはアメリカンブランドだと、現状ラインアップされるのはキャデラックのみとなってしまうので、クロスオーバーSUVになることは、セダン好きな筆者としては、今後は最低限我慢しなくてはならないようだ。