船の中で行われている神業駐車! RO-RO船内部にトレーラーを積み込むドライバーの技術がヤバすぎる!! (2/2ページ)

船員と運転手が織りなす乗下船作業はまさに神業

RO-RO船は多くの貨物を効率よく運搬するために、非常に大きな作りになっている。外洋に出ず国内だけで運行する内航船でも、5000~1万トン超えが当たり前で、とくに船体の幅が広いという特徴をもっている。これは、トレーラーなどの貨物車両を効率よく乗降させるためだ。

 とはいえ、やはり船である以上は地上のヤードのようにはいかない。ランプ部分を含めて余裕のある通路が確保されているわけではないのだ。トラクタを操るドライバーは、上下左右がギリギリのところを通って、一発でトレーラーを所定の位置に停める必要がある。

 船の構造や大きさにもよるが、ランプ部分はトレーラーが2台は通れる程度の幅がある。しかし、陸地から入るときも船から出ていくときも、かなり鋭角に曲がらなければならない場合があるのだ。陸地側は敷地に余裕があれば大まわりをすることもできるが、船内は狭いので慎重に下船ルートを確認する必要がある。

 大きな船の場合、多くは前から入ってスイッチバックをし、トレーラーを所定の位置に停止させる。小さな船だと、バックで入らなければならないこともあるのだ。船倉に並ぶトレーラーの間隔は、50cmとない。船倉がいっぱいになってくると、切り返す場所も少なくなってくる。このような条件下でトレーラーをきれいに並べていくのだから、トレーラーヘッドのドライバーは、まさに神業のもち主といっても過言ではないのだ。

 もちろんこの作業には船側にも舷門作業員などの荷役スタッフがいて、安全確認や誘導などを行なってドライバーのサポートをしている。両者の息がぴったり合うからこそ、短い時間で事故なく乗船・下船作業がスムースに行えるのだ。一般人が彼らの活躍を見ることはないが、我々の手もとに届くあらゆるものは、こういった人たちの努力によって運ばれてきているのである。


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