この記事をまとめると
■近年の物流業界で大きな問題として挙げられるのはトラックやトレーラーの運転手不足だ
■トラックに鉄道・船舶・航空機を組み合わせた輸送の方法をモーダルシフトという
■トラックやトレーラーごと積載して輸送する貨物船はRO-RO船と呼ばれている
トラックドライバー不足問題の解決へつながるか
「物流の2024年問題」でトラックドライバー不足が深刻化し、トラック輸送に大きな懸念が生じている。その対策のひとつとして、トラックと鉄道・船舶・航空機などを組み合わせて輸送するモーダルシフトの取り組みが進められているのだ。そのなかで、トラックと船舶を利用する方法ではカーフェリーのほかに、トラックやトレーラーごと積載して輸送する貨物船の「RO-RO船(ローロー船)」が利用されている。
カーフェリーは旅客船に分類されるから、貨物より旅客や個人の車両を運搬することが多く、一般にもよく知られた存在だ。しかし、RO-RO船は貨物船だから一般人を乗せることがないので、世間ではあまり馴染みがない。多くは、車両の乗下船ができるように船首・船尾・船側のいずれかにランプウェイをもち、港に接岸したときはそこから車両の出し入れを行う。
RO-RO船における乗下船の作業画像はこちら
RO-RO船の呼び名は「ロールオン&ロールオフシップ」の略で、トラックの乗り込み(ロールオン)と下船(ロールオフ)を意味している。出発地でトレーラーが自走して船に乗り込み、荷物を積んだトレーラーを置いてトラクタだけが下船する。到着地ではそこで待機しているトラクタが乗船し、トレーラーを連結して下船するのだ。
この方式なら、トラクタが乗船しないぶんだけ荷物を多く積めるから、積載効率が向上する。また、トレーラーのドライバーも着荷先までいかなくてもよいので、勤務時間を抑えることができるのだ。トラクタやドライバーが乗船することもあるが、旅客船ではなく乗船定員が少ないのであまり例は多くないという。
RO-RO船の船内画像はこちら