日本語に直したらとても使えんぞ! 「テスタロッサ」「バルケッタ」「ティフォシ」とかイタリアのクルマ用語のセンスが謎すぎる件 (2/2ページ)

フェラーリファンは病気の患者のことってマジ!?

コルセ

 競争、つまりはレースを意味するイタリア語。疾走とかランニングといった意味合いもあるようです。似たような言葉でコルサというのもありますが、これまた外国語でありがちな単数形というやつで意味合いは同じ。

 大昔、ターセル・コルサやオペル・コルサなんて車名もありましたが、いずれもレーシーな雰囲気は薄く、あくまで語感から選ばれたようです。

ストラダーレ

 英語でいうストリートのイタリア語バージョン。そのまんま道路とか道と訳していいのですが、イタリアのクルマで使う場合はレーシングモデルの「公道仕様」を指しています。たとえば、アルファロメオ・ティーポ33というプロトタイプレーシングカーが市販車となった際、ストラダーレの呼称が使われています。

 近年もアルファロメオはストラダーレの名前を使っていますが、あちらは最初から公道向けなので、初代へのオマージュと受け取るべきでしょう。

クワドリフォリオ

 クワドリはクワトロ、すなわち「4」を表し、フォリオは「葉っぱ」のこと。アルファロメオのレース部門、アルファコルセが四葉のクローバーをシンボル的に使っていることで有名です。もともとは1923年にアルファロメオのファクトリードライバー、ウーゴ・シヴォッチがマシンにペイントし、タルガフローリオという公道レースで見事優勝したことから「幸運のシンボル」として使われるようになりました。

 なお、このときのエンジンはOHVだったのですが、四葉を4バルブの象徴と勘違いした文献もあるのでご注意ください。

タルガ

 ポルシェ911がこれまたタルガ・フローリオで優勝したことから、セミオープンタイプに「タルガ」と命名したのは有名なエピソード。もともと、なにかの賞でもらうメダルや賞牌、盾を意味しており、アメリカズカップとか関東ジュニア杯だとかの「カップ」や「杯」に近しいものかと。

 ちなみに、樽我くんとかなんとかキラキラネームもあるらしいです。

スクーデリア

 F1のフェラーリや旧トロ・ロッソの冠言葉として使われているので、「チーム」と理解しているかもしれませんが、本来の意味は厩舎とか馬小屋です。イタリアではレーシングカーを馬に例えることがあったので、馬が集まる=厩舎=チームのように転じていったのかもしれません。

 ちなみに、フェラーリのファンがティフォシと呼ばれることがありますが、「熱狂的なファン」を指す俗語であり、本来は高熱を出す「チフス患者」という意味。洒落てるんだか、グロいんだか、イタリア人のセンスは不思議なものですね。


この記事の画像ギャラリー

石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報