日本は無理矢理BEV化を推進する必要なし! 世界がいまになって注目するHEVをさらに普及させることが重要 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アメリカや東南アジアの一部国ではHEVへの注目が集まっている

■日本ではその逆でようやくBEVのラインアップが増えてきたところだ

■日本はBEVの普及の前にHEVの普及を進めたほうが効率がいいと考えられる

海外でもHEVへの注目が年々高まっている

 先日、南カリフォルニアを訪れると、アメリカでもガソリン価格が目立って高いカリフォルニア州ということもあってか、HEV(ハイブリッド車)がますます注目されているようで、街なかで以前より多く見かけるようになっていた。なお、アメリカにおける2025年第1四半期(1~3月)締めでの新車販売台数におけるHEVの販売比率は、22%となっていた。

 東南アジアのタイはBEVからHEVに多くの消費者の関心が移り、HEVの販売増加が顕著となっているのだが、そのタイではBEV(バッテリー電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)そしてHEVを合わせて構成される「xEV(HEVやPHEV、BEVやFCEVの総称)」の、2025年第1四半期における新車販売全体に対する販売比率は40.2%となり、さらにそのxEVの販売台数(約6万7000台)のうち62%がHEVとなっている。

 それでは、HEV大国ともいえる日本国内の新車販売台数ではどうなっているのかを見ると、自販連(日本自動車販売協会連合会)統計による登録車だけの2025年9月の数値で見ても、新車販売台数全体の58.7%と販売される新車の半数以上がHEVとなっていた。

 さらにここへきて、スズキeビターラ、ホンダN-ONE e:、トヨタbZ4Xの改良、新型日産リーフと相次いで日系ブランドでも話題のBEVが発表されている。いままでは外資頼みといわれることもあるほど、日系ブランドはBEVの投入には慎重に見えていた。

 しかし、初代リーフが国内発売されてから15年が経過しようとしている。BEVに乗り慣れたユーザーが2台目、3台目とBEVを乗り継ぐケースも出てきていることもあり、日系ブランドもここへきてようやくBEVに注目するようになったのかもしれない。しかし、日本国内では日系各ブランドが、量販HEVの先駆者ともいえるトヨタを筆頭に各ブランドが優秀なハイブリッドユニットを用意していることもあり、依然としてHEVが販売のメインとなっていることは誰もが否定できない事実といえよう。

 しかも日本は化石燃料による発電比率が高く、BEVに乗っているからといって、必ずしもゼロエミッションとはならない。しかも世界に目を迎えれば、BEVの普及に熱心な市場ほど乱売傾向など混乱が目立つなか、BEV普及が踊り場状態を迎えており、そのなかで日系ブランドを中心としたHEVが注目されるようになっている。


この記事の画像ギャラリー

小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報