この記事をまとめると
■新車販売現場ではジャパンモビリティショー関連の販売促進活動はほとんど行われていない
■2025年10月単月締めでの新車販売台数は前年横ばい状況だった
■「年間新車販売台数ナンバー1」狙いのN-BOXが販売促進を強化するのは間違いない
モビリティショーは盛り上がっても新車販売現場の状況は変わらず
「ジャパンモビリティショー(以下JMS)」が2025年10月30日から11月9日の会期で開催された。会場を訪れた多くのメディアは前回(2023年)以上の盛り上がりを感じていた。JMSは新車の販売促進を直接訴求するイベントとはなっておらず、コンセプトカーや今後に市販されると思われるプロトタイプモデルをメインに出品され、これに自動車関連用品ブースほかさまざまな自動車関連の出展があり、さらにエンターテイメント性の高いものや子ども向け展示なども行われていた。
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新車販売現場では、JMSにリンクした販売促進活動というものは全国規模では行われていない。とはいうものの、JMS会場を訪れれば「新車が欲しくなった」と購買意欲が高まってしまうひとが出てくるので販売促進にまったく無縁ともいえない。JMS開催の影響は、2025年11月単月締め発表の登録車なら自販連(日本自動車販売協会連合会)、軽自動車なら全軽自協(全国軽自動車協会連合会)の統計を見ればわかるかもしれない。
自販連や全軽自協から発表された2025年10月単月締めでの新車販売台数は総じていえば前年横ばい状況となっている。前月、つまり9月は事業年度(4月から翌年3月)締めでの上半期末となり、販売現場では半期決算セールで好条件が出やすく新車がよく売れるので、その反動で10月は極端に販売台数が落ち込むこともあった。
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しかし、ここ最近は9月に受注しても9月中に新規登録(軽自動車は届け出)が間に合うケースはほとんどなく、8月までに受注したなかで生産及び配車が間に合わず新規登録(軽自動車は届け出)ができていない受注残分を9月にどこまで消化できるかが9月の販売実績を左右することとなっており、2025年10月もその傾向を受け、登録車は前年同期比で100%を割り込むものの、軽自動車は前年同期比102.9%となっており、新車販売全体を見ればほぼ横ばいといえる結果となっている。
軽自動車は新規届け出の際に車庫証明が必要であっても事後申請で済むので、登録車よりナンバープレート取得に時間がかからないのでギリギリまで販売実績の上乗せができる。そのため、登録車とは異なり前年同期比割れが防がれているともいえよう。
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軽自動車に関しては月末に販売台数調整を前提とした自社届け出(ディーラー名義などでナンバープレートだけ取得する)を多くのブランドで行っていることで、登録車より前年同期比で100%を超えやすくなっているともいえる。