日本にあれば買うのに……とか言ってたのに買わねーのかよ! ラブコールに応えて導入したのに売れなかったクルマ5選 (2/2ページ)

ブームに乗って導入しては見たものの鳴かず飛ばず

トヨタ・アバロン

 1990年代は逆輸入ということで、アメリカで発売している日本メーカーのクルマが数多く国内導入をされていました。すると、アメリカでの評判を聞きつけたユーザーが「アバロンみたいな余裕あるクルマが欲しいなぁ」などと漏らしたのでしょう。ホンダが逆輸入で大成功していたころですから、トヨタだってやらないはずがありません。

 しかし、アコードクーペは国内サイズのアコードが左ハンドルになったくらいでサイズはほとんど変わらなかったのに対し、アバロンは全長×全幅×全高:4895×1790×1435mmとまあまあなサイズに加え3リッターV6という3ナンバー枠。松が植えられたお庭があるようなお宅こそ似合うような車格であり、一般的なヒットとはなり得なかったのです。

フォードKa

 手ごろなサイズと価格でもって導入前から「日本でもヒットしそう!」「こんなに可愛いのにお手頃なの!?」みたいに盛り上がっていたのですが、いざ発売してみるとまるでダメ。150万円というリーズナブルなプライスだったにもかかわらず、発売から2年も経たずに発売停止の憂き目となってしまったのでした。

 これはひとえに5速マニュアルミッションしかラインアップしなかったというのが致命的だったかと。イギリスあたりじゃマイクロカーは老いも若きもシフトレバーをゴリゴリ操作するのがデフォルトですが、日本の場合はAT率80%越えですからね。

 Ka以前に(販売系列は違えども)フォード・フェスティバがそれはもうよく売れていたわけですから、その教訓を活かしきれていなかったわけで、日本市場を舐めてたとしかいいようがありません。

ランドローバー・ディフェンダー90

 ディフェンダー110、4ドアのティザー広告を見た方々が「2ドアのショートボディだったら買うよな」などと声高にアピールしていたものですが、ご要望どおり2ドアの90もしっかりラインアップしました。

 が、110に比べて割高感があるからか、どうにも動きが鈍いようです。なにしろ、110のベーシックグレード3.5リッターディーゼル+マイルドハイブリッドより100万円以上高くなってしまうのです。となると、それまで「2ドアのほうがスタイリッシュで取りまわしがよさそう」などと訳知り顔をしていた連中が、「ディフェンダーの本筋は110だから」とこぞって4ドアモデルに飛びついちゃったのでしょう。

 もっとも、個人的には2ドアの90には本国にある2リッターモデルをぜひとも発売してほしかったと切に感じています。これこそ、ベーシック中のベーシックであり、豪奢になりすぎた感のあるレンジローバーに対する素晴らしいカウンターパートにほかなりません。

 とかなんとかいってますが、ご多分に漏れず、いざ発売されても買わないんだな、これが(笑)。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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