旧車じゃないんだし最新車は維持費も安いだろ……ってのは甘い考え! イマドキのクルマでも意外な維持費がかかる理由 (2/2ページ)

実費か保険かの判断には丁寧な見極めが求められる

●ヘッドライトのユニット交換

 ヘッドライトが玉切れしている。古いクルマであれば、ボンネットを開けて裏から手をまわして電球交換……なんてことができましたね。ハイワッテージバルブを組み込んで、光量が増した! といったドレスアップを楽しんだ人もいるかもしれません。交換したハイワッテージバルブが強力過ぎて、気づけばヘッドライトのレンズが変色してあわてた人がいたとかいないとか……。

 しかし、現代のクルマのヘッドライトはユニット交換が基本です。新車保証が適用される期間であれば無償で対応してもらえますが、それを過ぎると実費です。車種にもよりますが、それでも10万円単位の出費は覚悟が必要。しかも、ある程度年数が経過していると、ヘッドライトが経年劣化で黄ばんでしまい、新品と見比べるとその差は一目瞭然。遠目にも目立ちます。気になる人は結局両方交換することに……。

●延長保証やメンテナンスパッケージなどのパッケージ商品

「新車保証3年に加えてあと1年(または2年)延長で保証します」あるいは「次回車検までの2年間、エンジンオイル&フィルター交換や法定1年点検などがセットになっておトクに」などなど、加入するか迷うような価格と項目を絶妙なさじ加減でブレンドしたパッケージ商品を勧められることがあります。

「いざというときに入っておくと安心だから契約しておこう」と、ハンコを押す人もいるはずです。事実、個別にお願いするよりも、パッケージとして組み込まれていたほうがおトクだったり、契約期間中は余分な出費を抑えられる場合もあります。ただし店舗によっては悪質な内容である場合もあり、かならず注意事項を読んでから決めるようにしてください。保証といいつつも、例外や対象外の規定が細かく決められていて「入るだけ損」な保証制度も実在します。

 筆者の知人がある中古車店の保証制度にいわれるがままに加入したところ、あとから「部品交換の際は中古品に交換→リビルト品に交換→純正相当品に交換→純正品に交換」といった具合に、順番が逆としか思えない記述を見つけて愕然としたそうです。保証で直すという場合でも安く仕上げるという姿勢が如実に表れていますね。

●まとめ:メーカー保証と車両保険は必須!

 古いクルマに比べて、新しいクルマはメンテナンスフリーで維持費が抑えられるかと思いきや、タイヤなどの消耗品や部品代をはじめとする修理費用など、クルマである以上、それなりに費用がかかることは仕方がないといわざるをえません。

 タイヤやバッテリーといった消耗品は仕方ありません。しかし、予想外の故障や事故などでバンパーやフェンダーの交換や修理ともなれば数十万円単位での出費を覚悟しなければなりません。

 故障に関しては可能な限り新車保証の延長保証でカバーして、交換や修理といったアクシデントについては任意保険にオプションで付帯されている車両保険でカバーするのが得策かもしれません。

 とはいえ、延長保証や車両保険は文字どおり「いざというときのための保険」であり、なにも起こらなければ掛け捨てになってしまいます。実費を払うか、無駄かもしれないけれど保険を掛けるか。最後は個々の判断となりそうです。


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松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
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