この記事をまとめると
■多くのトラック乗りが憧れているのがボルボの大型トラックだ
■ボルボトラック中国と青木被覆が特別仕様のボルボトラクタ「BLUE BLOOD」を製作
■外観にデニム生地を使った以外にも内装やホイールまでこだわりが詰められている
ジーンズとトラックがコラボのコラボが実現
トラック乗りが憧れる大型トラックが何かと聞かれれば、その代表格としてボルボのトラックの名前が挙がることは間違いない。ボルボは大きくて迫力があるだけでなく、乗り心地や操作性といった性能面でも評価が高い。そして、何より高級輸入車「ボルボ」の名前を冠していることは、乗るものにとって大きなステータス感を得ることができる。いわば、トラックのハイブランドなのだ。
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同様に、国産ジーンズ素材として知る人ぞ知るハイブランドが「岡山デニム」である。これは、岡山県の井原地区(井原市周辺)と児島地区(倉敷市)で生産されるデニムの総称。アメリカをルーツとするジーンズの素材と同じものだが、丈夫・縮みにくい・履きやすい・きれいな藍染めなどという特徴をもっていることから、世界的な地位を確立した。
同じハイブランドではあるものの、トラックとデニム地ではその共通点を見出すのは難しいように思える。しかし、ボルボトラックのディーラー「ボルボトラック中国」として同車両の新車・中古車などを中心に扱うキャリオンが、岡山デニムを生産して自社ブランドを展開する青木被服とコラボをし、特別仕様のボルボトラクタ「BLUE BLOOD(ブルーブラッド)」を製作したのだ。
ボルボ・トラックと青木被服のコラボによる特別仕様車のボルボトラクタ「BLUE BLOOD」画像はこちら
この車両は、まず見た目に大きな特徴をもっている。キャビンの外装に使用されたのはダメージ刺しゅうを施したブラックデニムで、外観は「漆黒の岩肌」のようになっているのだ。これは、トラックやデニム被服がもつ躍動感と静寂感の融合を表しているのだという。
具体的には、ダメージ刺しゅうを施したブラックデニムを使用して、トラックの「風を切って走る」イメージを表した。さらに、力強さとラグジュアリー感を、ダメージ刺繍と藍染めプラズマレザー(青く染めた豚皮の素材)のコントラストによって表現しているのだ。
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内装は、外装に反して静寂感に重点を置いた。クロコダイル調のデニムシャガード(あらかじめ登録した複雑な柄を織る織機で製作したデニム)に、銀糸をあしらった高級感のあるベッドカバーや、遮光性の高いシルバーデニム地のカーテン、コンソールには高揚感が味わえるプラズマレザーを使用している。また、シートカバーにはプラズマレザーとブラックデニムを使うことで、外装との共通性をもたせている。
ボルボトラクタ「BLUE BLOOD」の内装画像はこちら
アルミホイールにも青木被服の強いこだわりがある。見る角度や光の当たり方によって、さまざまな色に変化する分光性塗料を使用した「マジョーラカラー」を採用し、足まわりに深みを添えたのだ。ホイールの塗装・加工は、富山市のホイールメーカーであるクライメイトが手がけた。
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この車両のコンセプトは、トラックがもつ「華やかさ」と「強さ」、そしてその影にある「傷」を「勇気」として昇華するといったデザインをイメージしたものなのだという。要するに、このトラックのデザインは、ハイブランドデニムと同様に単なる飾りではなく、実際に日常で使用されることが前提になっているのであろう。
今後もこういった異色のコラボレーションが広がることに、期待が寄せられている。