人が居るところにクルマをもっていかなきゃ売れない時代! いまショッピングモールへのディーラー出店が効果絶大だった (2/2ページ)

日本に限らず各国の新車ディーラーが工夫を凝らしている

 アメリカでは通りの両側にさまざまなメーカーの新車ディーラーが一定区域内に集中出店している「オートモール」が有名であるし、中国でも「汽車城」としてやはり新車ディーラーが集中出店しているところがある。アメリカや中国ではひとりのオーナー(またはホールディングス会社)で複数ブランドの新車ディーラーを経営していることもあり、集中出店させやすいようだ。ここまでやると、1日かけてオートモールへ出かければ、さまざまなブランドの新車を見て試乗もできるので、足が向きやすいといえるだろう。

 一時アメリカでもオンライン商談がもてはやされた時期があったのだが、契約したその日のうちに新車に乗って帰れることもあり、いまでもリアル店舗での商談が幅を利かせているとの話も聞いている。

 また、中国ではBEVの普及が著しく、それもあってかショッピングモールへの出店が目立っている。モールへの出店それ自体は珍しくないのだが、多くは1階に出店しているケースが多い。しかし、たとえば5階建ての多層階構造のショッピングモールの3階や4階など上層階でも、おもちゃや衣服、携帯電話などの一般的な小売店の間にディーラーが店を構えていて、筆者は驚くとともに日本ではほとんど見かけない光景に違和感を覚えた。

 ICE車では燃料タンクがあるし、エンジンオイルなども充填されており、ICE車がショッピングモールの高層階に店を構えて展示されていたら、「ちょっとなあ」といったイメージをもたれかねない。その点、BEVはICE車に比べ存在自体がクリーンな印象があるとするひとも多いので、「これもアリ」だと納得することにした。

 とにかく、いまの各ブランドが単独で構える路面店では、新規の集客はかなり難しいと販売現場でも考えている様子。買い手から見れば、「1カ所で可能な限り多くのブランド車を見て商談できる」ことが理想的なのは当たり前だ。このまま少子高齢化によって新車販売市場の縮小が進めば、販売拠点の集約が目立ってくるだろうから、その時には新車や中古車、カー用品といった自動車関連の総合ショッピングモールの構築ということが有効となってくるかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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