360万円でF40が落札……ってどういうこと? よくみると「ちょっと小さい」フェラーリの正体とは (2/2ページ)

実車さながらにこだわり抜いたディテール

 また、実車と同じく、シートはコンパクトなものを2脚装備。残念ながらシートベルトは省かれているので、細部にうるさいちびっ子だったりしたらサベルトあたりを後付けするのがいいでしょう。それでも、ステアリングはバックスキンのかまぼこタイプという勇ましいもの。ならば、クイックリリースでもつけたりしたら、子どもが大よろこびすること間違いなし。

 ともあれ、F-racer社が作るFRPボディはとにかく再現度が高く、チープで子どもだましなデイテールはどこにもありません。たとえば、F40の見せ場となるリヤウインドウからはエンジンが見えるだけでなく、スリットの再現までもが完璧。無論、テールランプも丸型2灯というマラネロの伝統を踏襲するというこだわりよう。子どもだけでなく、大の大人がコレクションしたくなるのも当然でしょう。

 さらに、F40らしさを醸しているのが、星形5本スポークのアルミホイール。オリジナルが履いているOZレーシングのデザインを意識したもので、生意気にも2ピース構造らしきディテールまで再現。前後とも同サイズというのはご愛嬌といったところでしょうが、そこかしこにF-racer社の「そこらのおもちゃとは違うのだ」といった意地やプライドが垣間見えるというもの。

 そんなF40キッズカーはオークションにたびたび出品されています。タイミングにも左右されるようですが、このところは値下がり傾向に。11万4000ドル(約1600万円)の値がついたこともありますが、その後8万7000ドル(約1276万円)の出品車両があったあとは3万〜4万ドル程度が相場となっているとのこと。こちらのブラックボディは10台のみの生産ということで、いくらか高値がつくかと思いきや2万4000ドル(約360万円)と最安値を更新。

 宝くじが夢と終わってしまっても、F40キッズカーならどうにかゲットできるのではないでしょうか。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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