この記事をまとめると
■海上コンテナの背面に書いてあるコードやシリアル番号などはコンテナに関する情報だ
■サイズ・高さ・種類を表すコードや最大積載量や空の重量などが細かく規定されている
■ハイキューブ表示も含めて数字と記号の暗号を知ればコンテナの正体が一目でわかる
アルファベットと数字で書かれた謎の暗号の意味
コンテナを積んだトレーラーが目の前を走行しているとかなり威圧感がある。とくに信号待ちや渋滞中ともなれば視覚的に圧迫感があるため、早く動かないかなと思った人も多いだろう。しかし、海上コンテナも物流において非常に重要なので、そうそう邪険にしてほしくない。
そこで、今回は目の前にコンテナが現れたときに役立つ、書かれている文字についての解説をしていこう。まずは海上コンテナの後部画像をご覧いただきたい。なにやら文字がビッシリと書かれているが、これを解読するとコンテナの素性がわかるのだ。
海上コンテナ背面にある文字画像はこちら
1)コンテナの所有者
この部分は「オーナーコード」という所有者を示すアルファベットが書かれている。「WHSU」であれば、コンテナの所有者が「WAN HAI」だとわかる。4文字目の「U」はユニットの頭文字で、どのコンテナも常に「U」で終わる。
2)コンテナのシリアル数字
コンテナの所有者が付ける「シリアル番号」という6桁の数字で、製造シリーズがわかる。右側の四角で囲まれた数字は「チェック・ディジット」と呼ばれ、シリアルナンバーに誤りがないかを判断する数字で、独特な算出方法で決められる。
3)コンテナのサイズと構造を示す番号
ISO6346で規定された数字とアルファベットで、コンテナのサイズや構造がわかる。「45G1」を説明すると、1文字目はコンテナの「長さ」で、4=40フィート(12.192m)。2文字目はコンテナの「高さ」で、5=9フィート6インチ(2.896m)。つまり「45」は「長さが40フィートで、高さが9フィート6インチ」である。そして「G1」の部分はコンテナの種類を表しており、ほかの種類は以下のとおりだ。
G1=ドライ・コンテナ
U1=オープントップ・コンテナ
P1=フラットラック・コンテナ
R1=リーファ・コンテナ
T1=タンク・コンテナ
街なかを走る海上コンテナトレーラー画像はこちら
4)最大積載量
「MAX G.R.(マックス・グロス・ウェイト)」や「MAX WT(マックス・ウェイト)」と書かれている部分は、コンテナ自体の重さだけではなく、そのなかに積まれる貨物の重量を合計した最大積載量を示している。
5)空のコンテナの重さ
「TARE(テア・ウェイト)」は、空コンテナの重さを示している。この重量にはドアやロックなど、コンテナに固定されているものも含まれる。
6)最大荷重重量
「NET(ネット・ウェイト)」もしくは「PAYLOAD(ペイロード)」のマークは、コンテナの最大荷重重量を示している。
港湾エリアを走行するコンテナトレーラー画像はこちら
7)コンテナの容積
「CU.CAP(キュービック・キャパシティ)」は、コンテナ内に積載可能な最大内部容量を指している。輸送業者が貨物作業を計画における重要なパラメーターのひとつだ。
8)ハイキューブコンテナ
ハイキューブコンテナとは、高さが9フィート6インチ(2.896m)のコンテナのことで、通常より1フィート(約30cm)高いことを示している。コンテナ上部の黄色と黒のゼブラ柄もハイキューブの証だ。
ここまで解説してきた内容を理解すれば、どんなコンテナかを理解することができる。コンテナを目の前にしたときは、これらの数字や英語から、ぜひコンテナの素性を解読してみてほしい。