この記事をまとめると
■英国の新興ハイパーカーメーカーのガラジスティ&コーは「GP1」というモデルを発表した
■自然吸気V12エンジン+3ペダルMTを搭載した究極のドライバーズ仕様である
■「GP1」は245万ポンド(約5億円)のプライスで25台販売される見込みとなっている
ハイパーカー電動化時代に逆行する官能的アナログマシン
ここ最近、ハイパーカーの世界においても圧倒的なパワースペックと運動性能を誇るBEV(電気自動車)が、ファンからの熱い視線を集めている。その一方で存続が危惧されているのが、これまでハイパーカーの象徴とされてきた大排気量のマルチシリンダーエンジンの未来というわけなのだが、まだまだその時代が終わることはない。それを堂々と宣言するかのような、ハイパーカーメーカーの新ブランドがイギリスに誕生することになった。
先日「GP1」とネーミングされた(現在の段階では、まだ主要なスペックとデザインのレンダリングが公開されたのみなのだが)ニューモデルを発表した、ガラジスティ&コーがそれだ。
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かつてF1に参戦した小規模なイタリアのチームに由来するガラジスティの名を受け継ぐこのメーカーが、ニューモデルの開発で意識したのは、マルチシリンダーエンジンがもつ官能的なサウンドや、それをマニュアルトランスミッションと組み合わせることによる、ダイレクトな操作感を実現すること。もちろんそれは単なる回顧主義ではなく、現代の技術によって生み出された、きわめて洗練されたフィーリングであることはいうまでもない。
GP1の基本構造体は、そのようなコンセプトが反映されているのだろう。最新の軽量かつ高剛性なカーボンファイバー製のモノコックだ。同素材はボディパネルの多くにも使用されており、ガラジスティによればGP1の乾燥重量は1000kg以下に抑えられているという。
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ミッドに搭載されるエンジンは、イタリアのイタルテクニカによって新開発された6.6リッターのV型12気筒。もちろんターボを始めとする過給器や、エレクトリックモーターを組み合わせたハイブリッドシステムなどは採用されていない、純然たる自然吸気エンジンである。これにこちらもオーソドックスな3ペダルのXtrac製6速MTを組み合わせる。
駆動輪は当然のことながら後輪。まさにピュアでかつスパルタンなハイパーカーの基本構成がそこにはある。参考までにV型12気筒エンジンの最高出力は800馬力/9000rpm。この高回転型のスペックからも走りへの期待は大きく高まる。
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DEXETによって開発されたシャシーには、オーリンズから供給されるサスペンションシステムと、ブレンボ製のブレーキシステムが組み合わされる予定だ。ここからもガラジスティがいかにGP1の走りに対して強いこだわりを抱いているのかは一目瞭然といったところなのだが、それがカスタマーによって強く支持されることは間違いないだろう。
GP1は、2026年にはプロトタイプの製作を終了し、それに引き続いて25台が245万ポンド(約5億円)のプライスで販売される見込みだが、すでに熱狂的なマニアからは多くのレスポンスが届いていることは間違いない。
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