ブガッティ最後の16気筒エンジンモデルが誕生! ワンオフ製作された「ブリュイヤール」とは (2/2ページ)

ブリュイヤールをもってブガッティのW16モデルは幕を下ろす

 インテリアもまたグリーンが基調色となっている。特注されたタータン生地やカーボンファイバー、アルミニウムなどを効果的に使いわけ豪華さを演出したキャビンには、ガラスルーフから溢れるほどの光が差し込み、ドアパネルやシートバックには馬の刺繍が施されるほか、シフトノブにはミニチュアの、やはり馬の彫刻を収めたガラスインサートが組み込まれている。

 ブリュイヤールのベースとなっているのは、もちろん1600馬力の最高出力と1600Nmの最大トルクを発揮する8リッターのW型16気筒+4ターボエンジンを核としたW16プラットフォームだ。注目の運動性能は、0-100km/h加速で2.5秒、最高速は380km/hと発表されており、これはいずれもシロンの最終モデルとして2022年に発表されたワンオフモデルの「シロン・プロフィリ」と同一の数字。

 このシロン・プロフィリは、2023年にパリで開催されたチャリティオークションにおいて約12億円で落札されている。ブリュイヤールの価格は、あくまでも推定ではあるが20億円を超えるレベルにまで達しているともされる。

 そのもっとも大きな理由は、ブガッティはこのブリュイヤールをもって、長く生産しつづけてきたW型16気筒エンジン搭載モデルの生産を中止することを決定していることにある。最後のW16ブガッティを手に入れるためには、そしてそれがビスポーク・ソリテールによるワンオフモデルであることを考えれば、その価格は決して高くはないというのがスーパーリッチの考えなのだろう。

 ブガッティによれば、今後もビスポーク・ソリテールからは、1年に2台程度のペースで過去のW16プラットフォームを用いた特別なモデルが製作される計画であるという。続報が楽しみだ。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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