この記事をまとめると
■世界がエコに向かっているなかでフォードが鬼トルクのトラック&バンを発表
■トラックのレンジャーMS-RT PHEVはフェラーリ並の697Nmの最大トルクを実現
■商用バン「トランジット」ベースのトルネオ・カスタムMS-RT EVも同トルクを誇る
怒涛の加速力を誇るトラック&バン
アメ車のDNAは永遠に不滅、そんな言葉が脳裏をよぎって仕方ありません。PHEVとか再生可能エネルギーだとか、これほど叫ばれているにもかかわらず、フォードはアメ車の本質を見失っていませんでした。なにしろ、トラックとバンがシングルモーターで697Nmの最大トルクを出すというのですからね。アメ車にとって怒涛の加速力こそ正義であること、わかりきっているのでしょう。
フォード・トルネオMS-RT EVとレンジャーMS-RT PHEV画像はこちら
フランクフルト・モーターショー(IAA)でフォードが欧州向けに発表したレンジャーMS-RT PHEVとトルネオ・カスタムMS-RT EVは、それぞれ車名のとおりPHEVとBEVながら、モータースポーツでも通用しそうなパフォーマンスが与えられたトラック&バン。低められた車高や専用エアロパーツなど、商用テイストやファミリー気分はゼロ。むしろ、アメ車本来の「おバカなフルパワー」を満載したファンビークルに違いありません。
まずはピックアップトラックのレンジャーMS-RT PHEVから紹介すると、2.3リッターのターボチャージャー付きガソリンエンジンと75kWのモーター(1基)を搭載し、最高出力281馬力、最大トルク697Nmを発揮してくれます。ちなみに、697Nmというと、ガソリンエンジンならばフェラーリGTC4ルッソの12気筒エンジンが697Nm/5750rpm、EVならばBYD シーライオン7がデュアルモーターで690Nmを発揮。いずれのモデルも怒涛の加速力で定評あるもので、フォードが狙ってきたことが透けて見えます。
フォード・レンジャーMS-RT PHEVのフロントスタイリング画像はこちら
もちろん、速いだけじゃなく、標準のレンジャーと比較して車高が40mm低く、スポーツサスペンションシステムを採用したことで、ピックアップトラックとは信じがたい走りもついてきます。
10速ATとフルタイムe4WDのコラボも計算されつくしたものらしく、あらゆる場面で最適な「フル加速」をしてくれるというトラクション性能。無論、ピックアップなので最大荷重やけん引時でも同様のパフォーマンスが約束されているとのこと。
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スペシャルなトラックだけあって、エクステリアもまた魅力的。拡大されたホイールアーチをはじめ、ハニカムグリル、専用のフロント/リヤバンパー、ディフューザー、ダックテールスポイラー、そして21インチアルミホイールがストックのレンジャーとはまったく違った雰囲気を醸し出しているのです。