この記事をまとめると
■夏用タイヤには残り溝が1.6mm程度になるとスリップサインが現れる
■スタッドレスタイヤは溝が50%ほど減るとプラットフォームが出現する
■プラットフォームまで達すると冬タイヤとしての機能を失うので要注意
プラットフォームってなんぞや?
タイヤの寿命は、残り溝の深さで判断するのが一般的だが、夏用タイヤとスタッドレスタイヤでは、その点検部分が違うことをご存じだろうか。
夏用タイヤは、保安基準で残り溝の深さが1.6mm以上あることが義務付けられていて、タイヤが擦り減り、残り溝が1.6mmになるとスリップサインがタイヤ表面に出現する。
サマータイヤのイメージ画像はこちら
スタッドレスタイヤも、ウインターシーズンでなければ、このスリップサインが出るまで使用し続けることが可能だが、冬用タイヤとしては、新品時から溝が50%まで減った時点で使用できなくなる。
それを知らせるために、スタッドレスタイヤにはスリップサインのほかに、プラットフォームが設けられているので、本格的な雪のシーズンを迎える前に、必ずこのプラットフォームをチェックしておこう。
プラットフォームのイメージ画像はこちら
プラットフォームは、タイヤのサイドフォールに記された矢印(↑)の延長線上(4カ所以上)にあるので、これを目視点検すればOK。プラットフォームは、新品タイヤから溝が50%摩耗すると露出するマークなので、これが出てきたら冬用タイヤとしては摩耗の限界ということになる。
なので、それ以上雪道で使おうとせず、新しいスタッドレスタイヤに交換することが望ましい。
夏タイヤからスタッドレスタイヤに交換する時点ではまだ大丈夫だったとしても、ウインターシーズン中に、プラットフォームが露出する可能性は十分にありえる。走行距離にもよるだろうが、シーズン中は給油のたびに、タイヤの空気圧とプラットフォームのチェックを行うことを習慣にしておきたい。
雪道を走るイメージ画像はこちら
なお、ブリヂストンが2011年に行った調査(雪国を除いた地域が対象)によると、なんと79%の人が、スタッドレスタイヤのプラットフォームを知らないと答えたとのこと!
大事なことなので、知らなかった人は、これを機にスタッドレスタイヤのプラットフォームのことをしっかり頭に入れて、定期的な点検を忘れずに。
スタッドレスタイヤの寿命は、溝(サイプ)の深さと、ゴムのしなやかさで決まるので、新品以外のスタッドレスタイヤを装着する予定の人は、車体に取りてける前に、プラットフォームが出るまで、あとどれぐらい溝が残っているかと、ゴムの固さを専用の硬度計(タイヤショップやディーラーにある)で測っておくと安心だ。
保管中のスタッドレスタイヤのイメージ画像はこちら
新品のスタッドレスタイヤの硬度は、40~45度ぐらい。それが55度ぐらいになってきたらイエローサインで、60度になったらかなり固くなってきているので要交換……というのがひとつの目安。
もしくは、3~4シーズン使ったスタッドレスタイヤは、迷わず交換してしまうのがおすすめだ。
余談だが、スタッドレスタイヤには必ずバルブキャップを装着することもお忘れなく。バルブキャップがないと、雪や氷がバルブコアに付着・凍結し、それが原因でバルブから空気が漏れる可能性があるからだ(夏用タイヤもバルブキャップは基本的に必着)。
バルブキャップのイメージ画像はこちら
冬場はほかのシーズンに比べ、タイヤの性能差が大きく影響する季節なので、正しい管理と点検メンテナンスで、タイヤの性能を十分発揮できるように、普段から気を配るようにしよう。