クルマを放置するときは車検証だけもち出すのがポイント
さて、地震によって通行不能といえる状況になったときも含めて、やむを得ずクルマから離れて徒歩で避難する際には、クルマにカギをかけないことが求められている。さらにいえば、カギ(スマートキーを含む)を車内に置いておき、他者がクルマを移動できるようにしておくことは、ほぼルールといえる。
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東日本大震災の後に改正された『災害対策基本法』に基づき、大規模災害時に緊急通行車両の通行の妨害となる場合には、妨げとなる放置車両・立ち往生車両を、道路管理者が移動することができるようになっている。つまり、緊急通行車両のルートを確保するために人の乗っていない車両を移動することは法的に認められている。そうした法律に協力する対応を取ることはスマートなドライバーとしての責務ともいえる。
ただし、ただ単にドアをロックせずに、キーを残したままでは盗難されるリスクもある。そこでポイントとなるのが車検証だ。車検証は、そのクルマの所有権を示すものであり、車検証が手もとにあれば、放置車両が自分のものであることを示すことができるし、万が一津波で流されてしまったときの抹消手続きもスムースになる。
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同時に、ETCカードなどの貴重品も持ち出したいし、余裕があれば連絡先を書いた紙などをダッシュボード上に置いておくといい。もっとも、そうした対応をしたがために逃げ遅れるのでは本末転倒だ。津波が迫っている、がけ崩れが起きそう……といった状況であれば、身ひとつで逃げ出すべきだ。命あっての物種というが、最優先事項は身を守ることだ。
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あらためて整理すると地震などの災害時にクルマを置いて避難する際、ドアロックはせずにキーをクルマに残しておくのはマストだ。その上で、時間的な余裕があれば、連絡先を書いたメモを残し、車検証やETCカードなどの貴重品をもって避難すると覚えておきたい。