この記事をまとめると
■新型プレリュードに関してはネット上を中心に賛否両論が噴出している
■プレリュードのクルマとしての価値は否定的な意見の裏にこそある
■プレリュードは新世代スペシャルティクーペの先駆けだ
否定的な意見の裏にこのクルマの良さが見える
「車体のわりに車内が狭い」「マニュアルが無い」「値段が高い」。ネットなどでなにかと否定的な意見が飛び交っている新型プレリュード。その言いぶんもわかるが、話をそれだけで片付けるのはじつにもったいない。クルマを所有したり走らせることで、ワクワクするような心が動く瞬間、そのエッセンスが適度に取り入れられて、絶妙な立ち位置にいると感じるのが新型プレリュードである。
2ドアクーペというジャンルは本来、実用性の優等生ではなく贅沢品である。だからこそ、広い、安い、燃費がいい、リセールといった便利さの観点ではなく、欠点に見える要素を深堀りするほど、このクルマを「わざわざ選ぶ理由」が見えてくるはずだ。
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まずは車体の大きさだ。取りまわしは小さいほうが楽だが、適度な車体サイズを確保することで、長距離移動でも疲れにくく、同乗者が落ち着いて過ごせて、ある程度の荷物も積むことが可能となっている。こうして移動が快適になることによって、移動時間の質が上がる。
車内は狭くて後席も万能ではないが、その不便さこそが「このクルマを選ぶ理由」になる。効率最優先の時代に、あえて非効率であることを選ぶのに贅沢さを感じる。さらに、クーペはひとり、もしくはふたりで乗車するのが正しい姿。乗り込む所作、車窓の景色、流れる時間、パーソナルな空間、そのすべてが、ドライバーとナビゲーターだけのものとなる。それが、スペシャルティクーペの本質だ。
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