正解は無限にある!? スポーツタイヤの「溝の形」がメーカーによってまったく違うワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スポーツタイヤには個性的なトレッドパターンが多い

■そもそもタイヤのトレッドパターンには4つの役割がある

■機能性やキャラクターの違いでスポーツタイヤのトレッドパターンは個性的になっている

スポーツタイヤのパターンだけが千差万別である理由

 タイヤの「顔」ともいえるトレッドパターン。オーソドックスなタイヤは、ギザギザの縦溝(リブ)と横方向の連続した溝(ラグ)を組み合わせた、似たようなパターンが多いが、スポーツタイヤとなると各社によってかなり異なり個性的。

 どうしてスポーツタイヤのトレッドパターンは、メーカーや銘柄によってあれほどまでに違うのだろうか?

 その前にまず整理しておくと、タイヤのトレッドパターンには、次の4つの役割がある。
1.タイヤと路面の間の水を排出させる
2.タイヤの駆動力・制動力を確保する
3.操縦安定性・放熱性
4.デザインと商品性の向上

 そして、スポーツタイヤに関していえば、レース用タイヤがそうであるように、雨が降ったときのことを考えなければ、溝のないスリックタイヤこそがベストといえる。スリックタイヤは溝がないぶん、同じサイズでも接地面積が増えてグリップ力を稼げるし、ブロックがないので、ブロック剛性の問題も解消されるからだ。

 しかし、ストリートで使う以上、ウエット性能は無視できないし、そもそも溝が1.6mm以上なければ、保安基準をクリアできないので、公道を走ることができない……。

 しかも、ハイグリップタイヤを必要とするクルマは、ハイスピードで走るパフォーマンスをもったクルマなので、高速域での耐ハイドロプレーニング性能、排水性も重要になる。

 そこでメーカー各社は、シーランド比(シー=海=溝、ランド=陸=接地部分)を小さくしながら、排水性を確保できるデザインの工夫を強いられるわけだ。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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