タイじゃクルマの窓はみんな真っ黒! 日本じゃ違反レベルだけどそろそろ猛暑対策は東南アジアを参考にすべきタイミングか

この記事をまとめると

■バンコクモーターエキスポではウインドウフィルムが商品サンプルとして展示されていた

■東南アジアでは強烈な日差しと高温多湿の気候からフィルム施工が常識となっている

■日本でも東南アジアのような暑さ対策が一般化していく可能性がある

モーターエキスポで見た「熱対策」

 2025年11月29日から12月10日の会期にて、タイの首都バンコク近郊で開催されたバンコクモーターエキスポ会場内にて、ぱっと見るとロッカーのようにも見えるのだが、それぞれの透明な扉には透過度などの異なるウインドウフィルムが貼ってある商品サンプルが展示されていた。

「常夏」というとハワイのイメージが強いが、バンコクの12月あたりでは最高気温が30度前後になり、春先には40度近くまで気温が上昇することもザラとなっている。

 タイだけというわけではなく、近隣のインドシナ半島の国々やインドネシアなど、東南アジアでは強い日差しが年間を通じて照り続けるので、新車を購入したらウインドウフィルムの施工をするのが半ば当たり前となっている。モーター・エキスポ2025では会場内で積極的に新車が販売されているのだが、その購入特典のなかにウインドウフィルムの無料施工サービスを掲げるブランドもあった。

 東南アジアの街なかを走るクルマのほとんどは、かなり色の濃いフィルムが全面に施工されているので、車内をうかがい知ることがなかなかできない。路上駐車していたクルマを撮影しようとしたら、よく見ると車内にひとがいたなんてこともよくあるので、用心深く車内にひとがいないか確認してから撮影をしている。

 会場内で見かけたサンプルには、それぞれのフィルムのスペックのようなものが貼ってあった。紫外線、赤外線などをどれぐらいカットできるかといったものだが、色の濃淡があるのはプライバシー保護という観点でもいくつか用意されているようである。

 タクシーやライドシェアでは公共性の高い乗り物ということもあるのか、真っ黒で車内がわからないというパターンは少ない。それでも透明ながら赤外線などをしっかりカットしてくれるウインドウフィルムを施工している車両もあった。

 もちろん、標準状態でもUV・IRカット機能のついたガラスが標準採用されるケースがほとんどとなっているのだが、それだけでは日本の酷暑でも高温と強い日差しの影響でエアコンの利きが著しく悪くなる。日本は酷暑の時期だけ我慢すれば済むともいえるが、年間を通じて高温多湿で日差しの強い東南アジアでは、ウインドウフィルムの施工はマストであり、会場内にも複数の専門業者がブースを構えていた。

 日本でもここのところ夏といえば酷暑の長期化がお約束となっており、そのレベルは年々ひどくなってきている。透過度などの法規制が厳しい日本でも、新車を買うときに納車前にディーラーなどでウインドウフィルムを施工するのがそろそろ当たり前となっていくかもしれない。

 日本で海外からきた外国人に「日本の夏はどう?」と聞くと、アフリカのひとでも「日本のほうがひどい」と答えてくれた。筆者の経験でも、真夏に赤道に近いインドネシアへ行くと気温も日本より低めで朝夕はきちんと気温が下がるので、最近ではもはや「インドネシアに避暑に行く」というイメージである。台湾経由で帰ることが多いのだが、日本に近づくにつれて暑さがひどくなっている。

 今回はウインドウフィルムを紹介したが、東南アジアでのカーライフ全般が今後の日本でも参考になっていくのではないかと考えている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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