これぞ重機のオリンピック! 「グローバルオペレータチャレンジ」のアジアファイナル優勝は日本人でラスベガスへの切符を獲得!! (2/2ページ)

超絶技巧にギャラリーも大盛り上がり

 ブルドーザー競技ではCat D4を使用。パイロンなどの障害物に触れないように指定されたコースを走行し、最後にブレードを使用してテーブルトップのような滑らかさで押土均しを行う。ホイール車両と比べて無限軌道の車両は方向転換のタイミングが難しい。正確に車両感覚を把握し、ブルドーザーを手足のように操れなければならないのだ。

 ホイールローダー競技で使用されたのは、小型に分類されるCat 938。合計8トンの砕石をトラックに積み込むために、約200mのスラロームコースを2往復する。2回にわけて、8tの砕石をバケットで正確にすくうのは簡単なことではない。しかも、1回目はバックスラローム走行しなければならないのだから、その難易度は半端なものではないといえよう。タイムリミットが8分ということもあり、タイムアウトになった選手が複数出た。

 このように、3つの競技は土木工事現場などで日常的に見られるような内容が基本だが、遊びの要素としてちょっとしたゲームのような課題も設けられた。油圧ショベルとホイールローダーでは、ボールを使用。バケットでボールを缶に入れたり、パイロン上のボールを落としたりする。ブルドーザーではブレードでタイヤを移動させてゴールに入れるものと、ひもに通された筒をブレードで押して移動させるという2つの課題だ。オペレータは真剣そのものだが、見ているギャラリーは大いに盛り上がっていた。

 2日間の激戦を制したのは日本人で、新潟県の宮嶋学生(みやじまのりお)氏。準優勝はオーストラリアのShane Poole氏、3位は同国のTimothy Lamb氏であった。以上3名が、ラスベガスへの切符を手に入れたわけだ。とはいえ、参加した9名はいずれも地域予選を勝ち抜いてきただけあって、その力量は拮抗していたという。こういった大会を通じて建機操作の高度な技術が継承され、業界全体の発展につながっていくのではないだろうか。


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