ボディカラーが統一されている国もけっこうある! 渡航が楽しくなるタクシーの色のトリビア (1/2ページ)

この記事をまとめると

■タクシーは世界中でさまざまな色が採用されている

■一部の色は条件を満たした人でないと使用できない場合もある

■タクシーの色にはその国の文化や歴史が詰まっている

タクシーの色は世界中で異なる

 タクシーといえば何色をイメージするだろうか。たとえば、ニューヨークの「イエローキャブ」は世界的に有名だ。最近の東京ではJPNタクシー(ジャパンタクシー)の「深藍(こいあい)」カラーが浸透している。しかし、世界各国ではタクシーの色はじつに多様で、その国や地域の文化や歴史、法規制を反映している。国によっては法律で色を定めているところもあれば、まったく統一されていないところもある。世界のタクシー事情を色という切り口から見ていくと、各国のタクシー文化の違いが浮かび上がってくる。

<アメリカとヨーロッパ、対照的な色の選択>

 アメリカの代表格であるニューヨークのタクシーは、その名のとおり鮮やかな黄色の車体が特徴的。これは流し営業が可能なメダリオンタクシーの色として法的に定められており、マンハッタンの街を走る黄色いタクシーは、まさにニューヨークのアイコンといえる存在だ。

 西海岸のロサンゼルスでも黄色が多いが、近年はUberなどのライドシェアが普及し、タクシー車両の色も統一されていない。また、ここ数年のトレンドとしてGoogle系の自動運転タクシー「Waymo(ウェイモ)」の普及が進んでいるが、この車両はジャガーI-PACEをベースにした白色だ。ボストンでも白い車体のタクシーをよく見かけるが、ニューヨークのように色が義務付けられているわけではない。

 対照的に、ヨーロッパでは国ごとに異なる色が採用されている。イギリス・ロンドンでは「ブラックキャブ」と呼ばれる黒いタクシーが走っており、運転手は厳しい試験に合格した地理のプロフェッショナルである。一方、ドイツのタクシーはクリーム色(ベージュ)だ。正式には「ヘレル・エルフェンバイン(Hellelfenbein)=象牙色」と呼ばれている。

 以前のタクシーは黒色だったが、そのあとの法律によってクリーム色に統一されたそうだ。近年は州によって他の色も認められつつあるが、依然として多くの都市でクリーム色が主流となっており、ミュンヘンなどの都市では定番のベージュカラーのタクシーが街を行き交っている。フランスやベルギーでは特定の色の規定は緩やかで、ベルギーのブリュッセルでは青と黄色の花のマークが目印となっている。


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