単なるデザインコンセプトにあらず! メルセデス・ベンツの「ヴィジョン・アイコニック」は全身ソーラーパネルのスゴイやつだった (2/2ページ)

世界をリードするメルセデス・ベンツを象徴するコンセプトカー

 インテリアもまた大いに魅力的なフィニッシュだ。アールデコ調にまとめられたインテリアには、最高級の素材とクラフトマンシップが用いられており、ここにもまた自動車の優雅さを再定義するのだという強い意志が感じられる。

 クラシックな4本スポークのステアリングホイールに透明なツェッペリン(飛行船)型のダッシュボード、インストルメントクラスターのなかにはアニメーション式のアナログディスプレイが採用され、またダッシュボードのセンターにはクラシックなスタイルの時計を4個レイアウト。このひとつにはAIコンパニオンとしての機能をもたせるなど、ここにも伝統と未来の共存という、このモデルが掲げるコンセプトを確実に継承させている。

 話を流麗なクーペボディに戻すことにしよう。このボディでもうひとつ注目しておかなければならないのは、ソーラーコーティングと呼ばれる技術だ。メルセデス・ベンツは、電気自動車のボディに極薄のペーストのようにシームレスに塗布できる新しいタイプのソーラーモジュールを研究中で、それはあらゆる素材に塗布することが可能だ。

 ちなみにこのヴィジョン・アイコニックでは、ミドルサイズSUVの表面積に相当する11㎡の広さにそれを塗布した場合、地理的な条件などにもよるものの、年間で1万2000km分のエネルギーを生成することができるという。また、この塗料には希土類元素やシリコンなどは含まれず、リサイクル性の高さも大きな特長となっている。

 ニューロモーフィック・コンピューティング、すなわち人間の脳を模倣したコンピューティング手法を採用するために、脳の神経とシナプスの構造、そして機能をシミュレートするハードウェアとソフトウェアを開発、それを搭載しているのも見逃せない。それによって自動運転におけるデータ処理に必要なエネルギー消費量を、現在のシステムと比較して90%削減する可能性があるという。

 すでにこのヴィジョン・アイコニックには、都市部でのシームレスなポイント・トゥ・ポイントの自動運転を実現する、レベル2の拡張機能が搭載されているが、将来的にはレベル4のシステムを採用するプランも視野に入っている。

 メルセデス・ベンツの未来、それはこれまでと変わらず、常に世界をリードしていくものであることは確かなようだ。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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