安全装備の有無が採用の明暗をわける
ただ、そのようななかでも、安全運転支援デバイスがほとんど装備されない商用車がある。それが路線バスだ。大型や中型などを問わずトラックや貸切(観光)バスでは、すでにそれ相当の安全運転支援デバイスが装備されているのだが、路線バスでは「俺(運転士)が通勤で使っている軽自動車より安全関係の装備がついていないよ」とするほど、なにもついていないのだ。
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前述した衝突被害軽減ブレーキも、実際自動ブレーキがかかってしまうと、かなりの急制動になってしまうので、車内で立って乗車している乗客を中心に、転倒などでの車内事故を誘発する可能性があるとのことで、装着されないと聞いたことがある。
標準状態ではなにも装着されないので、汎用製品を装着する事業者もあるのだが、いずれもインジケーターによる視覚や、警報音で運転士に危険を知らせるのにとどまり、回避行動は運転士に任せられることになっている。バス運転士は大型二種免許をもっているので、操作による危険回避は十分可能とはいわれているものの、マイカーではお馴染みの安全運転支援デバイスがないとのことで、バス運転士を諦める人もけっして少なくないようだ。前述した汎用品をどこまで採用しているかで、運転士の採用で事業者間では差がつくこともあるという情報もある。
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警報音などで危険を知らせてくれるだけでも、運転業務における疲労やストレスはだいぶ和らぐとはされているが、そのような視覚や音で警告するシステムすら標準で装備されない路線バスの世界は、そろそろ考えを改めるべきときがきているといっていいかもしれない。