打倒フェラーリで生まれたアストンマーティン! V12ヴァンキッシュとは【21世紀スーパーカーFILE #003】 (2/2ページ)

創業の地で最後に生産されたモデルとなったV12ヴァンキッシュ

 ミッションは6速MTをベースに開発されたセミATで、アストンマーティンはこれを「オートシフトマニュアル/セレクトシフトマニュアル(ASM/SSM)電子制御油圧コントロールシステム」と呼んだ。駆動輪はもちろん後輪。巨大なV型12気筒エンジンをフロントミッドシップしたことで、1835kgの車重は前後で53:47に配分することが可能となったことも見逃せないところだ。

 前後のサスペンションは、アルミニウム製のアームを採用したダブルウイッシュボーン形式。ダンピングは電子制御により常時最適化されているが、セミATのシフトモードをノーマルとスポーツの間で変化させても、このダンピングコントロールの制御プログラムは変化しない。エンジンルーム内にその存在を認めることができるストラットタワーバーはカーボン製。これら一連のサスペンションセッティングには、やはりロータスが深く関係したという。

 そして、V12ヴァンキッシュの魅力を語るうえで忘れてはならないのは、やはりかのイアン・カラムが描き出した、ダイナミックで戦闘的な、そして同時にアストンマーティンの伝統を強く感じさせるボディデザインだろう。

 インテリアももちろん彼の手によるものだが、こちらはあまりにも斬新なスタイルに変化したことで、当時大きな驚きを感じたことをいまでも鮮明に覚えている。ちなみにカスタマーは、当時ニューポートパグネルにあったアストンマーティン本社内の「ヴァンキッシュラウンジ」で、内外装の仕様を自身の好みでオーダーメイドすることも可能だった。

 0-97km/h加速で4.5秒、最高速では306km/hというパフォーマンスを誇ったV12ヴァンキッシュは、1954年に創業したそのニューポートパグネルの本社工場で生産された最後のモデルとなった。その生産は2007年まで続くが、2004年には520馬力仕様のマイナーチェンジ版、「V12ヴァンキッシュS」が発表され、パフォーマンスデータはそれぞれ4.2秒、322km/hへと向上している。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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