【試乗】廉価版かと思いきや……価値ある装備だけに絞り込んだ決定版! メルセデス・ベンツGLEの新グレード「CORE」が間違いなく買いだった (2/2ページ)

安くなっても価値を損なうワケではない

 COREは装備を削る方向へ振られても、乗り味の中核はまったく崩していない。装備表を見ると、GLE 450 d 4MATIC Sports Core(ISG)はAIRMATICサスペンションを標準装備としており、これは同グレードの価値を支える要点であるといえる。

 さらに市街地では、路面の継ぎ目やマンホール、交差点の段差といった入力が連続する。AIRMATICは、その入力を単に柔らかく受けるのではなく、車体の上下動を早めに収束させて揺れを残さない方向に利かせている。

 とくに停止直前、ブレーキを抜いた瞬間のピッチの収まりが上質で、背の高いSUVでも制動時の姿勢がフラットで安定し、かといってジャッキアップ効果を抑えて減速Gを安定して引き出し、ドライバーが意のままに操れる。この停止直前の1mの作法が、メルセデス・ベンツ車の上級モデルらしさを決めるといっても過言ではない。一般ドライバーが通常走行でもっとも感じ取れる領域だからだ。

 COREの本質は、単なる装備削減ではなく、価値が出る部分と出にくい部分を切りわける点にある。装備表では、AMGラインエクステリアはCOREで標準装備とされる一方、AMGラインインテリアは非装備として整理されている。外観の精悍さを担保しつつ、内装側のパッケージを見直して価格に反映させる設定ポリシーが読み取れる。

 一方で、日常に効く安全・運転支援や利便装備は手厚い。ドライビングアシスタンス系、360°カメラ、アダプティブハイビームアシスト・プラス、マルチビームLEDヘッドライトなどはCOREでも標準装備の範囲に入っている。市街地での車幅感覚や狭路のすれ違いにおいて、これらは快適装備ではなく、ストレス低減装置として極めて有用で効果的だ。

 さらに、3列シート(乗車定員7名)もCOREで維持されている。実用面の高特性を落とさず、見栄えと中身の優先順位を付け直したのがCOREなのである。

 メーカー希望小売価格は1379万円。ベースとなるGLE 450 d 4MATIC Sports(ISG)が1526万円であることを踏まえると、COREは走りの根幹(直6ディーゼル+ISG、4MATIC、AIRMATIC、7名乗車)を保ったまま、装備構成の最適化で価格差を作ったグレードといえるのだ。

 GLE 450 d 4MATIC Sports CORE(ISG)は、市街地走行という粗が出やすい環境でも、発進の滑らかさ、段差のいなし、停止直前の収束という上級メルセデス・ベンツの好特性をきちんと示してくれる。その上で、COREは見た目のスポーティさと日常で効く装備を残し、インテリア側のパッケージを整理して価格に落とし込む。

 結果として、GLEという上級SUVの美点を「手が届く現実」に引き寄せた仕様であり、単なる廉価版ではなく、価値の置き方を再設計したグレードと評価できるのだ。


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中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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