色が違うだけで値段が変わるってどういうこと? クルマの有料オプション「特別塗装色」とは

この記事をまとめると

■クルマの塗装工程はカラーによって大きく変わることはない

■それでもメタリックやパールは使う塗料が特別なものであり工程も増えるため割高となる

■下取りを考えてボディカラーを選ぶよりも好きな色を選ぶことが満足度につながる

新車購入時の楽しみのひとつであるボディカラー選び

 新車を買う際に、「どの車体色を選ぶか?」はひとつの悩みどころだし、楽しみでもある。それに際し、追加料金を必要とする特別色という選択肢がある。それは何が違うのか?

 車体を塗装する工程は、どの自動車メーカーも基本的には同じと考えていいだろう。電着塗装/シーラー塗装/本塗装の順に進み、そのうえで最終の塗装検査が行われる。

 電着塗装は、簡単にいえば錆止めを目的とする。スプレーガンなどで行う塗装作業ではなく、錆止め効果のある塗料が入った水槽に、車体全体を漬け、電気を使って隅々まで塗料を行き渡らせる塗装の仕方だ。

 次のシーラー塗装は、鉄板の継ぎ目や隙間などにシーラーと呼ばれる塗料を塗って、錆止めに万全を期す。シーラーとはシール、すなわち隙間を塞ぐ塗料という意味だ。

 それらの前工程を経て、本塗装になる。これが、一般的に我々に親しみのある車体塗装の部分になる。最初に電着塗装で錆止めはしたが、細かな凹凸などが残ったままだと色がきれいに出ないので中塗り塗装をし、表面を滑らかにする。そして、車体色の基礎となるベース塗装で色をつける。続いて、クリア塗装で表面を保護する。

 これで、基本的には終了だ。

 ただし、これだけでは単に色違いが選べるのみになるので、より光沢を持たせるなど、付加価値をもたらすのが、メタリックやマイカ、あるいはパールといった名称の付く塗装だ。当然、そのための追加の手間がかかる。

 メタリックもマイカも、キラキラ光って見える点は同様だが、そのきらめき具合に違いがある。メタリック塗装は、その名のとおり金属のアルミ片を混ぜた塗料を用いる。マイカやパールは、鉱物の雲母(マイカ)を使う塗料を用いる。パールと呼ぶのは、マイカを用いた塗装がまるで真珠の輝きのように目に映るためだ。輝きのある塗装は当然、塗料にも追加の原価がかかるし、塗装の工程も増える。このため、特別な色ということで、塗装代が新車価格に上乗せされることになる。

 ただし、その色が、他車でも使われていると大量生産による原価低減につながるので、あえて特別色としての追加料金が上乗せされない場合もある。逆に、その新車で初めて採用される色の場合、ほかでは使わない色となるため台数が限られ、特別色として追加料金の対象になる可能性が高まる。

 そのほか、単色ではなく、ツートーンカラーなどの場合は、2色を車体の部位によって塗り分けなければならなくなり、これも塗装の手間を増やすことになる。そのため、特別色となる可能性が高まる。

 ちなみに、特別色に追加料金を支払って選んで購入しても、必ずしも下取り価格などが高く維持されるとは限らない。下取りの査定は、クルマの程度の良し悪しはもちろんだが、中古車市場での人気によって左右される。もしその特別色が中古車として人気がない場合は、下取り価格にあまり反映されないかもしれない。

 とはいえ、数百万も支払って新車を買い、そこから何年かは使い続けるのだから、将来の下取り価格ばかりに気を取られ好みではない車体色を選ぶより、使っている間の気持ちを満たし、長く愛し続けられる好みの色を選ぶのが、幸せなクルマ人生ではないだろうか。


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御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

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乗馬、読書
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