EVに残される課題はコストとインフラ整備
デザインについては、個人的にはもう少し未来感を強めたスタイリングでもよかったのでは、と感じなくもない。しかし、スカンジナビアンデザインらしいクリーンさを保ったフォルムは万人受けしやすく、それでいて存在感も十分。Cd値0.26という優れた空力性能が、航続距離の向上に大きく貢献していることも想像に難くない。
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室内はフラットフロアとロングホイールベースの恩恵で、後席もラゲッジも余裕たっぷり。日常使いからレジャーまで、使い勝手のよさに不満はなさそうだ。
インフォテインメント面では、GoogleのAIアシスタント「Gemini」をボルボとして初搭載。決まったコマンドを覚える必要はなく、会話するように操作できる点は、いかにも次世代EVらしい。Bowers & Wilkins製28スピーカーやDolby Atmos対応など、音響面も抜かりない。
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そして忘れてはならないのが安全性だ。EX60は、ボルボが長年積み上げてきた安全思想を、最新のセンサーとソフトウェアによってさらに進化させている。マルチアダプティブ・シートベルトをはじめ、OTAアップデートによって「購入後も進化し続ける安全」を実現しているというから、ボルボの安全神話はさらに強固なものになったといえそうだ。
ミッドサイズSUVのEX60は、日本のEV需要層にもフィットしやすいポジションとポテンシャルを備えている。日常使いから長距離移動まで安心してこなせる「実用的なEVのSUV」は、まだ十分に出揃っているとは言い難い。もしボルボが日本市場にEX60を投入すれば、メインを張る存在になっても不思議ではない。
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もっとも、そのためには発売価格や充電インフラ整備など、越えるべきハードルがあるのも事実だ。もしも日本市場にEX60が導入されたとき、その実力を余すことなく発揮できる環境が整っていることを期待したい。