販売現場には新たな不安が広がる
警戒しているのは買い控えだけではない。受注したものの生産状況などの都合で新規登録及び納車のできていない“受注残”車両については、3月末に環境性能割が廃止される前にメーカーからディーラーへ当該完成車が配車されてしまい、3月末までに新規登録をかけなければならなくなった場合のお客とのトラブルも大いに警戒しているのである。
調べてみると、たとえば登場以来受注停止期間のほうが目立っていたアルファード系の納期がここのところ改善傾向にあり、ディーラーで発注しても、本稿執筆時点で2026年6月以降納車可能となっている。つまり、いままで受注残となっていたアルファードが年度末へ向け、各ディーラーへの配車が目立って多くなるのではないかというのである。
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たとえば、アルファードのガソリン車で人気の高いFF 2.5Zでの環境性能割は13万7100円も課税されてしまう。仮に購入客が2026年3月末までに納車となることを了承して契約していれば話は別だが、いつ納車になるのかもはっきりしないまま契約して、たった数カ月新規登録が違うだけで約13.7万円も支払い額が異なってしまうのでは、揉めてしまうのも当然だろう。
ヤリスクロスのガソリン車でも6万円ほど環境性能割が課税されることとなる。軽自動車では日本一売れているホンダN-BOXで調べると、1万6000円課税されていた(マイルドハイブリッドのスペーシアはかからない)。軽自動車は仕様にこだわらなければ即納体制のモデルも多いので、事業年度末に近くなればなるほど「新規届け出を4月以降にしてほしい」という希望が多くなり、売りにくくなる可能性が高まっている。
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メーカーやディーラー(販売会社)は3月末までに登録して2025年度の実績に反映させたいので、セールスマンにプレッシャー(をかけてくるだろうし、お客からは「環境性能割が廃止となる4月以降に登録してほしい」と要求され、板挟みになるのではないかと警戒しているという声を聞いている。
一般社団法人 次世代自動車振興センターのホームページには、“CEV自動車導入促進補助金申請受付終了見込み時期について”というページがあり、本稿執筆時点で確認すると、終了見込みが2026年2月13日となっていた。BEVはbZ4Xのように納期がかかってしまうケースのほうが珍しく、意外なほど納期の短いケースが目立っている。
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ディーラーとしては事業年度末も近いので、3月末までに登録(軽自動車は届け出)可能なケースは軒並みナンバープレートをつけるようにとなるのだが、補助金申請受付終了まで間に合わないタイミング(次年度予算措置が決まり次年度分受付開始となるまで)、つまり“補助金空白期間”が生まれながらも登録を進めていくことになってしまう。
CEV補助金は事後、つまりナンバープレートが取得出来てから、購入者自らが申請することになる。その申請を煩雑に思うお客向けに代行申請を受け付けるディーラーもあったが、最近はBEV自体のラインアップが増えていることもあり、補助金の予算消化がさらに見えにくくなってきたとして代行申請を受け付けなくなってきている(事後本人申請でもあり、原則的には補助金申請が間に合わなくてもディーラー側に責任はない)。
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2026年に限ったことではないが、事業年度末セールにおけるBEV販売は“補助金空白期間発生”という非常にナーバスな問題を抱えているのである(なお補助金申請期限は新規登録[軽自動車は届け出]から1カ月以内とされている)。HEVが販売の中心となっているので、環境性能割廃止もCEV補助金のBEVやPHEVの増額も「大勢に影響なし」といってしまうこともできる。
とはいうものの、ガソリン暫定税率や環境性能割の廃止、BEVへの補助金増額などは消費者の新車購買意欲、つまり「新車がほしいなあ」という気もちをおおいに刺激するものとなっているのだが、販売現場では意外なほどそのような動きに困惑しているようであった。