市販化は未定ながら将来展開を占う重要な1台
そして、注目したいのはマフラーで、ベースモデルと同様の3本出しながら、テールエンド横には「AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)」のロゴが見えます。アクラポヴィッチといえば、チタン素材を使用した高性能かつ高品質のエキゾーストシステムを生み出すことで知られるスロベニアのメーカー。
HRCではMotoGPマシンに採用されているほか、市販車でもCBR1000RR-Rに装着されていますが、4輪車ではこのシビックタイプR HRCコンセプトが初採用。はたして素材はチタン製なのか、純正マフラーが採用する可変バルブをどう処理しているのかも気になります。
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「東京オートサロン2026」の会場には、このシビックタイプRの開発責任者(LPL)である柿沼秀樹氏も訪れており、会期中は展示車両の説明をしたり、シビックタイプRのオーナーという来場者には愛車とのカーライフについて話をしたりと大忙し。そして柿沼氏は、このシビックタイプR HRCコンセプトについてもLPLとして開発チームを率いているそうです。
「ホンダには、モータースポーツ活動から得られる技術を市販車へフィードバックしてきた歴史があります。2022年に4輪のモータースポーツ部門がHRCへと統合されたことで、それまでの2輪・4輪という垣根を超えて、HRCの知見を使って市販車の開発に活かすということが可能になりました。また、シビックタイプRでは、HRCとしてスーパー耐久シリーズにも参戦しており、市販車両をベースとした車両でレースをすることで得られたノウハウをフィードバックして開発したのがこのモデルです。」
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シビックタイプRといえば、開発コンセプトに「世界最速FF」を掲げるほどサーキットにおける運動性能を重視したモデルですが、このHRCコンセプトでは、空力性能および吸排気系の仕様変更、鋭いハンドリングや高い操縦安定性、爽快な排気音などを実現。ベースモデルのようにドイツ・ニュルブルクリンク北コースでのタイムアタックは行っていないものの、鈴鹿サーキットにおける開発テストではレーシングドライバーの佐藤琢磨選手がドライブし、とくにダウンフォースが向上したことによるコーナリングスピードの高さが印象的だったそうです。
気になるのは販売時期ですが、現時点では車両価格どころか市販化の計画すら未定とのこと。コンプリートカーとしてグレード追加あるいは限定仕様車なのか、さらにはパーツ単体での販売も実現可能なのか、それらを見定めるために東京オートサロンに出展したそうです。当然ながら来場者からの反響は大きく、ぜひ実際に街なかやサーキットを走る姿を見たい1台です。今後のホンダそしてHRCの動向に注目です!