もはや公道に解き放たれたF1マシン! 創始者の名前を冠した最強のフェラーリ「エンツォ」【21世紀スーパーカーFILE #011】 (2/2ページ)

間違いなく世界でも最高峰のクルマ

 エンツォの基本構造体となっているのは、F50と同様に軽量で高剛性なCFRP製モノコックタブで、その存在はキャビンからも容易にそれを確認することができる。

 F50、あるいはF40ではただただスパルタンな雰囲気だったキャビンは、より高級感と快適性を強く演出したものとなっているが、その一方でやはりCFRP製のフレームを採用し、1脚あたり14kgというスパルコ製フルバケットタイプのシートを装備するなど、こちらも軽量化には積極的な対応を見せていた。ステアリングホイールやメーターパネルも機能的にデザインされているのがわかる。

 エンツォとF50の設計が大きく異なるのは、モノコックタブの後方に、エンツォではサブフレームが組み合わされ、パワーユニットやリヤサスペンションはこのサブフレームにマウントされることにある。

 F50では4.7リッターのV型12気筒DOHC 60バルブエンジンはモノコックタブにリジッドマウントされ、すなわちF1マシンと共通の搭載方法が採用されていた(つまりエンジン自体もストレスを負担する構造材としての役割を担う)。しかしエンツォでは、サブフレームを介して6リッターのV型12気筒DOHC 48バルブエンジンを搭載することで、より走行中の快適性を高める配慮が施されていたのだ。

 注目の最高出力と最大トルクは、それぞれ660馬力、657Nm。レブリミットは8200rpmに設定されている。ミッションにF1マチックと呼ばれた6速セミAT(実際にはパドルによるマニュアルシフトが必要になる)を新たに組み合わせていること、またドライバーは「ノーマル」「スポーツ」「レース」の各ドライビングモードを選択できるようになった点も見逃せない。

 車重がわずかに1255kgというエンツォの運動性能は、3.65秒という0-100km/h加速、そして350km/h以上の最高速に象徴されるように、もちろん当時世界の最高峰にあるものだった。

 フェラーリにとってもっとも重要な名ともいえる「エンツォ」を掲げた21世紀最初のスペチアーレは、まさに究極と呼ぶにふさわしい作品にほかならなかった。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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