この記事をまとめると
■かつてトラックドライバーは体力が必要なので男の仕事といわれていた
■最近では積み下ろしに体力が不要なことから女性ドライバーも活躍している
■女性のほうが活躍している会社も最近増えてきている
女性の就職先としてトラックドライバーが注目されている
昭和の時代から男の業界だと謳われてきた、トラックドライバーの世界。かつては手積み手降ろしが基本中の基本で、運転スキルはもちろんのこと、体力が何よりも大切にされていた。そのような業界であったからこそ、男の世界だとされていたのである。やがて物流の世界でも合理化が進むようになり、荷物を触らずに済むパレット輸送がメインになってきた。体力と積み下ろしの際に必要となる時間を最小限に抑えることができるため、物流業界では一般的になってきたのだ。そうして、現代では数多くの女性がトラックドライバーとして活躍できるようになったのである。
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とはいえ、苦労がないわけでもない。男の世界だったころの名残は節々に残されているため、女性にとっては不便に感じてしまう部分も、多々あるという。
「いくら増えたといっても、まだまだ女性は少数派ですからね。女だからってちやほやされることもありますが、バカにされることもたくさんありますよ。『女だからどうせできないだろう』とか、『これだから女は』、なんていわれたり、雑に扱われたり。そういうときは、男になんて負けるかっていう気概でいつも以上に頑張ったりします。もちろん、愛想を振りまいて平静を装いながら(笑)。たとえ手積み手降ろしがなくても、トラックドライバーって体力を使うんですよ。ハードな仕事であることに変わりはないので、つねに男の人に負けないように心がけていますね。女だからって手伝われたり、庇われたりするのも嫌なので。そうしているうちに、ようやく認めてもらえたりもするので」。
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別のドライバーは、「もう20年近く大型トラックで長距離を走っていますが、やっぱりお風呂に困ることが多いですね。サービスエリアやガソリンスタンドのシャワーを使うことが多いのですが、いつも時間に余裕があるわけでもないので。だから、結構不潔な女だと思われていると思います。でも女性ドライバーが増えてきたので、やりやすくはなりましたね。少し前までは女だというだけで物珍しそうに見られたりもしましたが、最近は若くて可愛い女の子ばっかりがちやほやされています(笑)」
「女性ドライバーが増えた要因として考えられるのは、やっぱりパレット輸送やカゴ台車を運ぶ仕事が増えたからじゃないですかね。手積み手降ろしは、やっぱり女性には厳しいので。女性用のトイレが整備されている運送会社も増えてきているみたいですし、働きやすい環境になってきたとは思います。セクハラやパワハラが大きな問題になったことも影響しているかもしれませんね。それでも、甘い考えで入ってきたような女性ドライバーは、すぐに辞めてしまいますが」と語る。
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ともに大型トラックに乗っているふたりの女性ドライバーに話を聞いてみたところ、仕事の厳しさはクリアできているものの、女性が快適に過ごせるようになるための課題は、まだまだありそうだ。高齢化が進み、人手不足に陥っている物流の世界。そんななかで、女性ドライバーの台頭は大変喜ばしいことである。とある運送会社の社長は、女性のほうが辞めない傾向にあるとさえいう。
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「昨年の11月に男性2人、女性1名を同時に採用しましたが、いまでも続いているのは女性だけですね。シングルマザーの人も増えてきましたが、そういう人ほど強くて頑張る傾向にあります。女だからできなくても仕方ないとかじゃなく、男に負けないという気もちをもった女性が増えていることは、とても喜ばしいですね。逆に、最近は根性がなくて口先だけの、頼りない男が増えたなと感じたりもしますよ。ですから、うちの会社では女性ドライバーがたくさん活躍してくれていますよ。お客さんのウケもいいですし、職場にも花が咲くしありがたい存在ですね。それだけに、パワハラやセクハラからは守り抜かないといけないなと感じています」。
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これからのトラック業界には、女性の力が必要となってくる。しかし、女性が安心して飛び込めるような世界ではないのも事実。女性の立場や環境を考慮し、柔軟に対応していく運送会社ことが、人手不足にあえぐトラック業界を変える救世主となるのかもしれない。