この記事をまとめると ■ゲーム「グランツーリスモ」に向けたコンセプトカーをシャオミが発表した
■シャオミ「VISIONグランツーリスモ」は最高速約350km/hを想定する電動ハイパーカー
■AI機能「Xiaomi Pulse」やソファレーサー思想などテック企業らしいインテリアも特徴だ
中国テック企業初の「VISIONグランツーリスモ」プロジェクト参戦 クルマ好きであれば、ポリフォニーデジタルのドライビングシミュレーター「グランツーリスモ」を知らない人はいないだろう。1997年にレースゲームとしてスタートした同シリーズは、いまではクルマを総合的に仮想体験できる先進的なプラットフォームとしての地位を確立し、レーシンドライバーがトレーニングに取り入れるほど、リアルな挙動を体験することができる。
そんな「グランツーリスモ」には「VISIONグランツーリスモ」なるプロジェクトがある。これは、世界各国の自動車メーカーやブランドが、「グランツーリスモ」のために独自に開発・製作したコンセプトカーを発表するというもの。コンセプトカーは、あくまでもゲーム内での走行を想定したモノであって、そこにはルールや常識が存在しない。それゆえ、エンジニアとデザイナーは自由な発想でクルマを開発することができる。また、発表されたコンセプトカーは、「グランツーリスモ」にて配信され、ゲーム内でドライブすることが可能なのも特徴だ。
そしてこのたび、中国のテクノロジー企業であるシャオミが、「VISIONグランツーリスモ」を発表した。シャオミといえば、ニュルブルクリンクの電動エグゼクティブカー(4ドアEV)部門において、世界最速の名を欲しいままにしている「SU7ウルトラ」が、2026年1月29日に「グランツーリスモ7」にて配信されたばかり。それからわずか1カ月で、今度は「VISIONグランツーリスモ」を発表するという、まさに怒涛の展開だ。
シャオミ「VISIONグランツーリスモ」のフロントスタイリング 画像はこちら
では、シャオミ「VISIONグランツーリスモ」がどんなクルマなのか、簡単に見ていこう。
2026年3月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress(MWC)2026」の場でお披露目され、世界中のモーターファンやテックファンの視線を集めているシャオミ「VISIONグランツーリスモ」は、シャオミがこれまで培ってきたデザイン力と技術を象徴する未来のスーパーカーを具現化したものだ。空力性能を追求した流麗なボディシェイプや、大胆なエアインテーク、高いダウンフォースを確保するディフューザーなど、まるで近未来SF映画から飛び出してきたようなフォルムが特徴で、約350km/hのトップスピード性能を目指して設計された電動ハイパーカーだという。
シャオミ「VISIONグランツーリスモ」のリヤ真正面スタイリング 画像はこちら
コンセプトの中核となったのはデザイン理念「Sculpted by the Wind.(風によって形作られる。)」だ。シャオミは、電動ハイパーカーをにおいて重要なのは、空気抵抗の低減とダウンフォースの最大化という相反する要素をいかにバランスさせるかさせるかだと考えた。これにより、低抵抗を意図したティアドロップ状のコクピットに、ダウンフォースを発生させるさまざまなパーツを与え、完璧な調和を図った。
シャオミ「VISIONグランツーリスモ」のサイドビュー 画像はこちら
なかでも特筆すべきが「Accretion Rims」と名付けられたホイールとそのカバーだ。タービンフィンが与えられたホイールは、ブレーキ作動時にエアを積極的に取り込んでブレーキを冷却し、渦巻き状にデザインされたホイールカバーは、走行中は完全制止状態となり、回転するホイールが生んだ空気抵抗を軽減するという。
シャオミ「VISIONグランツーリスモ」のホイール 画像はこちら
これらによりシャオミ「VISIONグランツーリスモ」は、わずか0.29という抗力係数、マイナス1.2というダウンフォース、そして空力効率4.1という数値を達成している。
また、インテリアもシャオミ「VISIONグランツーリスモ」は新しい。
従来のスポーツカーにありがちな緊張感にあふれ硬直した体勢を強いられるシートポジションとは一線を画するアプローチを思い描いた。それは、ソファでレースをしているかのような快適な体験だ。このビジョンは「ソファレーサー」というコンセプトへと発展し、繭のような一体型インテリアを採用し、ドライバーを優しく、そしてしっかりと包み込む。
シャオミ「VISIONグランツーリスモ」のインテリア 画像はこちら
さらに、「Xiaomi Pulse」というAI機能が搭乗者の状態に合わせてコクピット内の光や音を最適化し、シャオミならではのユーザー体験を提供するという。
果たして、シャオミ「VISIONグランツーリスモ」はどのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。それは「グランツーリスモ」にて配信されれば明らかとなるはずだ。そして、「SU7ウルトラ」のような超絶ハイパーカーを市販化したシャオミだけに、その後の展開にも期待せずにはいられない。