上を通るだけでタイヤの溝の泥や砂利がキレイになる! 単純だけど効果的なFODSマットがスゴイ

この記事をまとめると

■大型車タイヤは耐荷重性や耐久性を重視し深く太い溝が刻まれる

■砂利道や土道では溝に異物が詰まり性能低下の原因になる

■通過するだけで異物を除去するFODSマットが解決策として注目

現場の小さな手間を減らす発想

 トラックや建設機械は車体重量がある。中型・大型の車両であればなおさらのことだ。これに、多くの人や荷物を載せて高速道路やカーブの多い山道などを走れば、乗用車用のタイヤと同じ強度ではもちこたえられない。そこで、これら商用車・事業用車のタイヤはプライレーティング(タイヤ強度を示す耐荷重強度指数)や、ロードインデックス(規定の条件下においてタイヤ1本で支えることができる最大負荷能力を示す指数)が、乗用車より高く設定されたものを使用しなければならないことが多い。

 これらのタイヤは、強度と同時に経済性・安全性が求められるので、耐久性能や駆動性能といったものも高くなくてはならない。多少、乗り心地や運動性能を犠牲にしてでも、これらの要件を満たす必要があるために、トラックや建設機械のタイヤは、乗用車用タイヤと比べて構造だけではなくトレッドパターンにも違いが出てくるのだ。

 例を挙げれば、これらのタイヤのトレッドに刻まれる溝は深くて太いといったことなどである。アスファルトの走行であれば、この違いが大きな問題になることはない。ところが、砂利や土の道路ではそれらが溝に詰まってしまうことがある。そうなると、タイヤは十分な性能を発揮できなくなる。そこで、ドライバーはタイヤの性能を維持して安全に走行するために、溝に詰まった砂利や土を掻き出さなければならなくなるのだ。

 この作業が結構手間なのである。トラックや建設機械は、タイヤの本数が多い車両も少なくない。それらの1本1本に対して、水をかけたり溝を掻いたりして詰まった砂利や土を取り除くのは、時間も労力も必要とする。コンクリートミキサー車のように、時間が限られた荷物を運ぶ車両のドライバーからすれば、大きな悩みの種だといっても過言ではないだろう。

 こういった問題を解決する可能性をもったアイテムが登場し、注目を集めている。その名は、「FODSマット」である。このグッズは、アメリカで生まれた建設現場の環境管理システムだ。システムといっても、決して難しい仕組みではない。ピラミッド型の凸凹の突起を備えたマットを、トラックや建設機械が通過する現場の出入り口に設置するだけという簡単なものだ。タイヤが突起を踏むことで、車重によりわずかにタイヤの溝が変形し、そこに詰まった土や砂利を除去するという仕組みである。

 マット1枚のサイズは、長さが2.1mで幅は3.7m。連結が可能なつくりになっており、重機などを使用せずに現場の作業員の手で設置することができる。車重のある車両が通過するため、材質は高密度エンジニアリングプラスチックを採用。突起1個当たりの破壊荷重は9トンという耐久性をもっているから、110トンクラスの超大型建設機械にも使用できる。

 車両の通行可能回数は100万回以上なので、通常の現場なら10年程度使用できる計算になる。素材はリサイクル性に優れ、環境にも優しい。まさにコロンブスの卵のような発明品だが、大型車両の悩みごとを解決するには有効なアイテムといえるのではないだろうか。


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