激レア「ラ・フェラーリ」の試作車がオークションに出展……も市販車より安い! 稀少なフェラーリなのになぜ? (2/2ページ)

コレクターにとっての本当の価値とは

「珍しい試作車なのに安いの?」と思うかもしれない。だがこれには理由がある。

 じつは試作車は「乗るクルマではない」。メーカーの試作車のなかは、公道登録ができないものも少なくない。法規認証を受けていないケースもあるし、メーカーとの契約で登録が認められていない場合もある。

 そのため、コレクタブルカーとしての扱いは非常に特殊で、イベント展示やプライベートコレクション、ミュージアム展示といった用途に限られる。つまり、これは走るための車両ではなく歴史的な資料に近い存在なのだ。

 それでも世界のコレクターがフェラーリの試作車に熱狂するのにも理由がある。それはフェラーリの開発史そのものを所有できるという、またとない機会でもあるからだ。ラ・フェラーリはわずか499台しか生産されなかったが、その裏ではいくつかのテストカーが作られたことが知られている。しかし、そのほとんどは開発終了後に破棄されるか、メーカーの倉庫にひっそりと保管されるかのいずれかだ。

 つまり、市場に出まわること自体が極めて珍しいのだ。今回の個体は、フェラーリのハイブリッドハイパーカー誕生の過程を物語る「証」ともいえる存在。そう考えると、この価格はむしろ安すぎるかもしれない。

 ラ・フェラーリは、フェラーリが電動化時代へ踏み出した象徴的モデルだ。そして今回の試作車は、その完成に至るまでのストーリーの一部を担った1台でもある。

 もしガレージに置けるなら……。それは単なるスーパーカーではなく、フェラーリの歴史そのものを所有することになる。これはフェラーリのコレクターにとって、この至上の幸福であることは間違いない。ちなみに今回の試作車は「SOLD」というアナウンスこそあったが、その落札価格は現在のところ公表されていない。果たしてどんな人物がいくらで落札したのだろうかも非常に興味深い。願わくば、落札したオーナーが、イベントなどで積極的に展示してくれることを願いたい。


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