この記事をまとめると
■いすゞとANAが実証パートナーシップを締結した
■エルフEVを羽田空港や新千歳空港に配備し空港業務におけるEVトラック導入を目指す
■物流や空港車両のEV化を通じてCO2排出量実質ゼロへの解を模索している
EVトラックの社会実装が空港でも
世界的なカーボンニュートラルに向けての取り組みにともない、日本のトラックメーカーでも大型車の水素トラックや燃料電池車の開発、ラストワンマイルの物流を主に担う小型トラックのEV化などが日々進められている。UDトラックスを傘下に収め、アーチオン(三菱ふそう・日野自動車の統合企業)とともに日本トラックメーカーの双璧となったいすゞ自動車も、エルフのBEV(バッテリーEV)トラックや大型車ギガの燃料電池車など、トラックのEV化を積極的に進めている。
とくにエルフEVは同社が開発したバッテリー交換式EVトラックの配送実証をファミリーマート・伊藤忠商事と提携で行い、また伊藤園のルートセールスに導入され、車両の充電計画など施設エネルギーマネジメントの実証が行われるなど、EVトラックのさらなる実用化が進められている。
そんなエルフEVの大企業の採用がさらに進んだ。2026年2月18日、いすゞと全日空ことANAが、2050年のCO2排出量実質ゼロという共通目標に向け、航空機地上支援機材(GSE)の検証を行うパートナーシップを締結した。
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ANAグループでは2050年までに国内の空港で運用するエンジントラックおよそ1000台のCO2排出実質ゼロを目指しており、これまでもPHEV(プラグインハイブリッド)仕様の航空機牽引車やEV仕様のトーイングトラクター、ベルトローダーなどの導入や、GSE向け次世代バイオ燃料の実証などを進めてきた。そしてこのたびのいすゞとのパートナーシップにより、エルフEVを同社のカーゴトラック(手荷物運搬車)として導入。24時間稼働が求められる羽田空港と、寒冷・降雪地域である新千歳空港の2大拠点に配備し、多様な環境下におけるEVトラックの運用実用性や最適なソリューションを検証していくという。
今回のパートナーシップでは、いすゞとANA両社にて空港におけるEV車両などの実証運用およびサポートと、その稼働データの解析によるバッテリーや車両の仕様に関する課題の改善提案、そしてCO2排出量実質ゼロに向けた複数のソリューション実証を行う。
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エルフEVは、2024年のデビュー以来、全国各地の企業や自治体にて採用され、ラストワンマイルの配送だけでなく塵芥車(ゴミ収集車)への導入など幅広い業種で実用化され、その実績を高めている。さらに前述の伊藤園のルートセールス車への採用や横浜市内でのバッテリー交換式EVの配送実証など、EVトラックのさらなる可能性を追求している。このANAとの航空機地上支援機材での実証が進めば、空港専用車やこれまでの配送トラックだけでなく、消防車や高所作業車など、さらなる特殊用途車両のEV化の可能性が拓けてゆくに違いない。
また、このようにEVトラックが幅広く導入されていけば、車両そのものの価格もリーズナブルになるだけでなく、充電スポットなどのインフラも全国的に普及していくことになるだろう。