この記事をまとめると
■ディーラーでADAS関連について質問するとスタッフがADASを理解していなかった
■商品説明ができないセールスマンがかなり増えているのが実情だ
■他メーカーを含めて最新のクルマを前セールスマンに触れさせる機会が必要だ
今の新車販売現場スタッフはクルマをわかってなさすぎる!
「いまどきの新車に搭載される最新装備について、販売現場のセールスマンがついていけていないのではないか?」これは以前も提言したことがある。先日もディーラーを訪れて話をしている際、筆者が、「ADAS(先進運転支援システム)については、このクルマではどうなっているのですか?」と聞くと、「ADASとは? 」というような反応をされた。そこで、「レーダークルーズコントロールなどのことですけど……」 と返したら、ようやく、「そのあたりの装備ですね!」と理解してくれた。
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ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)など複数の先進運転支援システムを、たとえばトヨタなら「トヨタ・セーフティセンス」、ホンダなら「ホンダセンシング」などの呼称を用いて紹介するケースが目立つため、たしかにADASという言葉自体に馴染みが薄いのかもしれない。
いまでは軽自動車や商用車まで当たり前のように標準装備されるようになったが、販売時のセールスマンによるこの手の装備に関する商品説明が、全体で見れば不十分なこともある。高速道路を走行していても、ACCが標準装備されているであろう年式の乗用車が、それを使っている素振りを見せず、前方を走る車両を煽り気味に急加速させている光景も多く見られる。
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また、メーカー側は一般道路での使用を控えるよう促しているにもかかわらず(前方車追従機能などにより、渋滞や信号で自動停止・再発進のような挙動をするので便利に使っている人が多いようだ)、販売現場では、「一般道路でも便利なのですよね」と、ミスリードとも思われる説明をされて驚いてしまった。
販売現場での商談時にしっかりした説明がなければ、まさに宝のもち腐れとなってしまいかねない。ADASではないが、筆者も恥ずかしながら電子式パーキングブレーキ車を所有するようになっても、納車後にセールスマンから、「これ使っていますか?」と説明を受けるまで、オートホールド機能の存在すら知らなかった経験がある。
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そこで提案なのだが、メーカーや業界団体がセールスマンへ向けた最新装備の体験研修会のようなものを定期的に催すのはどうだろうか。もちろん、セールスマンは自分が取り扱うメーカーの新車を自家用車として選んで乗るのが日本では大原則となっている。しかし、最新装備についての正しい知識が追いついていないのが現状だ。座学だけではなく、他メーカー車も含めて、実際にどのような装備なのかをインストラクターの指導の下で身をもって体験すべきだ。そうすれば、商談時に自信をもって、「こんな装備があるのですよ」と説明でき、販売促進効果もアップするものと考えている。
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いまどきは店舗を訪れる前に、メーカーのWEBサイトなどでクルマの情報を確認する客が多いため、マニュアル的な情報ではなく、セールスマンが自身の体験に基づいた話をすれば、客の興味を引くうえで効果絶大だろう。
新型車の登場直前には、セールスマン向けにサーキットなどで実車に触れる機会があるようだが、これは各店舗で選抜されたスタッフしか基本的には参加できない。筆者のいうADAS講習会は、一定期間内に各店舗のスタッフ全員を対象とすることであり、より効果が高まるのではないかと考えている。
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昭和のころならば、休みに客のフリをしてライバルメーカーのディーラーへ行き、ライバル車をチェックしろと会社側が指導できたが、それがたちまちパワハラ問題へと発展する令和のいまではNG発言だ。最新装備の講習会や、他メーカー車を集めた乗り比べができる機会を設けることは、働き方改革もあり日程調整などはかなり難しいだろう。しかし、ぜひ積極的に実現してほしいと願っている。自分の扱うクルマの最新装備だけでなく、ライバルメーカーの動きにあまりにも鈍感なセールスマンが目立っているのが、いまの新車販売の現状といえるからだ。