この記事をまとめると
■エスプリをベースに最新技術で再構築したレストモッドが登場
■カーボンボディや現代化されたV8で高性能と軽量化を両立
■伝統的デザインと最新装備が融合した特別な1台となる
名作をクリーンに再構築
近年レストモッドという分野には、シンガーがポルシェ911で成功を収めて以来、多くのメーカーが参入している。ベースとされるモデルはさまざまだが、今回紹介するのは、かのジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたロータス・エスプリのレストモッド「エンコール・シリーズ1」である。
製作したのは、イギリスのエンコール・デザイン。ロータスにアストンマーティン、ケーニグセグなど、著名な自動車メーカーでの経験をもつデザイナーとエンジニアを擁する凄腕ベンチャー集団だ。
開発にあたっては、まずオリジナルのエスプリを3Dスキャン。最新スペックのタイヤとクーリング性能を引き上げるためボディはわずかにワイド化され、1970年代のFRP製ボディにかわってオートクレーブ処理による一体型カーボンファイバー製ボディシェルへと置き換えられた。
エスプリの特徴であるリトラクタブルヘッドライトも、現代的にアップデートされた。ポップアップ式のハウジング内に超小型LEDプロジェクターを組み込み、往年のウェッジシェイプを維持しつつも現代的なライティング性能と空力性能を実現している。
エンコール・シリーズ1のフロントマスク画像はこちら
ボディの下には、エスプリV8のシャシーが残されている。これは、アイデンティティとともにドナーカーの登録に関する要件のため。つまり、ブランニューモデルではなくあくまでオリジナル・エスプリの「大改造」となるわけだ。シャシーはストリップダウン、ブラスト洗浄といった再仕上げを行ったのち、完全にリビルドされたパワートレインと組み合わされる。ドナー車として必要なのは、最終型のエスプリV8となる。
リヤミッドに搭載される3.5リッターV8ツインターボエンジンは現代技術を用いて大幅にアップデートされ、最高出力は約405馬力、最大トルクは475Nmを発生。クワイフ社と協力して再設計された5速MTを通じて後輪を駆動する。サスペンションはスポーツ350仕様へアップグレードされ、ブレーキにはAPレーシング製を採用している。エスプリ本来のフィーリングを守るため、パワーステアリングは電動ではなく油圧式を維持する。
エンコール・シリーズ1のサイドビュー画像はこちら
インテリアも見物だ。鋭く傾斜したダッシュボード、タータンチェックのアクセント、深いバケットタイプのシートなど、オリジナルのエスプリの要素が色濃く残されているが、それらはすべてエンコールのエンジニアによって現代的に再構成されたもの。もっとも印象的なのは、浮遊するインストルメントクラスターだろう。アルミニウム削り出しパーツが、Apple CarPlayとAndroid Auto、さらに360度カメラにも対応する最新のデジタルディスプレイを包み込んでいる。
エンコール・シリーズ1のインテリア画像はこちら
エンコール・シリーズ1の目標車両重量は1200kg未満。カーボンファイバー製ボディにより、オリジナルから100kg以上の軽量化を達成している。0-100km/h加速は約4秒、最高速度は約280km/hと公表されている。
生産は世界限定50台となり、価格は43万ポンド(約9200万円)からで、これにはドナー車となるエスプリV8の価格は含まれていない。