いわゆる3BOXの「ザ・セダン」はほぼ消滅! 消えた理由はドコにある? (2/2ページ)

デザイン性と実用性を両立する選択肢が増えた

 4ドアで荷物の積載性にも優れたクーペスタイルのSUVが登場ともなれば、3BOXタイプのセダンの居場所は、特定の条件以外ではないに等しい時代になったということだ。VIPの移動車が高級セダンからアルファードへの乗り換えが顕著なのも、3BOXセダン衰退に拍車をかけている。

 実際、3BOXのスタイリングよりクーペスタイルのほうが圧倒的にカッコよく魅力的であり、購入意欲をそそる。クーペSUVともなれば、室内や荷室の広さ、アレンジ性を含む使い勝手のよさも光る。

 SUVタイプゆえの開けた視界や走破性の高さも備わり、なかには全高1550mm以下のクーペSUVもあり、立体駐車場への入庫も可能なのだから、もう3BOXセダンの出番がないほど万能といっていい。令和のデートカーとしてSUVがもてはやされているのも当然のことだろう。

 そして、超スタイリッシュなプリウスに代表されるよう、なだらかにルーフ後端が下がるクーペ風のスタイリングを纏うクルマのほぼ唯一の欠点といえる、後席の乗降性や頭上方向の余裕のなさも、日本を走るクルマの平均乗車数1.5人というデータ、2名乗車の多さ、4人家族で後席は小さい子どもの特等席……というカーライフのメインストリームを踏まえれば、クーペ風のセダン・SUVでも決定的なデメリットにはなりにくいのである。実際、プリウスは売れていることからもそれは明らかだ。

 つまり、3BOXセダンの衰退は、1990年代以降のミニバン・SUVの人気や、スーパーハイト系軽自動車の買いやすさ、それに加え後席重視のVIPカーとしても人気なアルファードに代表されるハイエンドミニバンへの移行があって、そこに実用性やスタイリッシュさなど多くの魅力をもつクーペSUVが登場したことによって、トドメを刺されたということになるだろう。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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