常識を疑う最新デバイスはこれから先も増える
では、このデバイスが日本の公道を走る日は来るのだろうか。現時点での答えは、限りなく「ノー」に近い。
日本の道路運送車両法において、ナンバープレート(自動車登録番号標)は厳格な規格に縛られている。材質はアルミニウム板等でなければならず、文字の刻印の深さや反射率、さらには取り付け角度までがミリ単位で規定されている。2021年10月からは、ナンバープレートの表示に関する新基準が完全適用され、判読を妨げるような装飾やカバーは一切禁止されたほど。
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そしてなにより日本の法律上、ナンバープレートは単なる表示板ではなく、国が発行した「公用文書」に近い性質をもつ。その表示内容をユーザーが通信によって自由に変更できるという概念そのものが、現在の法体系では想定されていないのだ。AFEELAが予定どおり日本で発売されていたとしても、このデジタルプレートが「公道用」として即座に認められる見込みは、万にひとつもなかっただろう。
AFEELAというプロジェクトは結局、「動くスマホ」という理想を形にする前にビジネスとしての持続性を失い、大幅縮小となった。だが彼らがデジタルナンバープレートのような「既存の常識を疑うデバイス」を提示したこと自体には、意義もあったように思う。
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米国ではすでにカリフォルニア州やアリゾナ州、ミシガン州などでデジタルナンバープレート装着車の公道走行が合法化されている。そして、ドバイなどの先進的なスマートシティでも、導入に向けた動きはあるようだ。世界が「鉄板」を捨ててデータへと移行するなかで、旧態依然とした(?)アルミ板を後生大事に守り続ける日本の法規が果たして正解なのか? 必ずしもハイテクデバイスが正解であるとは限らないはずだが、意見はわかれるだろう。
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AFEELAプロジェクトは大幅縮小されておおむね頓挫したが、このデジタルナンバープレートが突きつけた「ナンバーのあり方」という問いは、次世代のモビリティ開発者たちへの宿題として残されたように思う。技術はすでにそこにある。あとは我々ニッポン社会が、それを受け入れる覚悟をもっているかどうかだ。